スタンプ物語8・五反田駅

開業100周年を迎え

スタンプもデザイン一新

五反田駅のスタンプは2011年にお江戸シリーズのデザインが変わりました。「国道1号線の上の駅」と書かれており、地図上で見るとちょうど駅の中央を突っ切る形で国道1号線が延びており、高架の長いホームが国道をまたいでいます。改札を出た北側が国道1号になるのですが、通行量は多いです。この国道1号は日本橋を起点に大阪に至る全長543.1キロの一般国道で、旧東海道の経路を踏襲する形で流れ、並走して東海道本線や東海道新幹線、東名高速道路なども敷設されています。国道は明治9年(1876)の太政官布告によって一等から三等まで分類され、道の幅員も等級によって規定が設けられました。同18年(1885)には番号が付与されますが、このときは東京~横浜が国道1号、横浜~大阪が国道2号でした。戦後の昭和27年(1952)には新道路法によって東京~大阪が一級国道1号線となり、昭和40年(1965)の道路法改正によって一級・二級の級別がなくなり、一般国道になりました。現在の国道2号線は大阪~北九州で山陽道に該当します。
五反田は目黒川の谷間の低地で、名の示すように田畑の規模を表す五反(一反は10a、300坪)の田に由来します。地名は旧大崎村の小字で、駅が開設された明治44年(1911)のときは一面農地だったといいます。昔から通っていた中原街道は、江戸虎ノ門から平塚中原(神奈川県平塚市)に至る東海道の脇道ですが、最初は江戸への最短として、江戸入り当初の徳川家康が利用し、幕府の鷹狩りにも使われていました。駅北側には三代将軍家光が鷹狩りの折に命名した雉子神社(品川区東五反田1-2-33)も残っています。のち東海道が幹線として整備されると、中原街道も通行量が激減しましたが、大名行列を避けられるため、沿道の農産物を最速で江戸に供給する物資輸送の道として利用されたといいます。

ところで五反田駅のお江戸シリーズスタンプは、2003年設置のもの印影が変わっています。旧スタンプは「愛の母子像と池田山公園」(現在はなし)。昭和49年(1974)に東京五反田ライオンズクラブによって建立された愛の母子像は、かつては東口にあり、待ち合わせ場所として知られていましたが、駅改修工事の際に撤去されました。現在は跡地に『ユニクロ』が建っていますが、愛の母子像の移設先は不明のままです。あの子どもが今にもずり落ちそうでおかしかった像は、どこへ行ってしまったのでしょうか?
江戸の面影を残すものとしては、東口から徒歩12分のところに池田山公園(東五反田5-4)があります。寛文10年(1670)に備前岡山藩池田家の下屋敷として下賜されたところです。高低差を活かした池泉回遊式の庭園は四季折々の花が美しい区民憩いの場。開園時間(9~17時、ただし7・8月は~18時)を制限しているため、整備も行き届いています。

当公園から徒歩5分のところには、皇后美智子さまの生家跡「ねむの木の庭」(東五反田5-19-5)もあります。昭和8年(1933)に建築された洋館の旧正田邸は、平成13年(2001)に故・正田英三郎氏の相続税の一部として国に物納され、一部では建物保存運動も行われましたが、平成15年(2003)3月には解体されました。その跡地が翌年に区立公園の「ねむの木の庭」として開放され、現在に至っています。
蛇足ですが、五反田駅は本年(2011年)の10月14日に開業100周年を迎えて式典が行われ、開業100年の記念スタンプ(右)も設置されています。こちらは期間限定のスタンプなので、お早目に押印することをおすすめします。
次回の停車駅は目黒駅です。


より大きな地図で 五反田駅 を表示

※スタンプは紛失・摩滅・取替などの事情により、ない場合もございますのでご了承ください。また、駅員のいない時間帯は押せないこともありますのでご注意ください。

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JR東海 お得な「初旅フリーきっぷ」を発売

2011年12月15日 JR東海では、「初旅キャンペーン」を年初に展開すると発表しました。

キャンペーンでは初詣参拝で有名な豊川稲荷や名湯湯谷温泉へ、自由にお得にお出掛けいただけるフリーきっぷ(2種類)をキャンペーン期間限定で発売。フリーきっぷには特典が用意されています。

期間は平成24年1月1日(日)~平成24年2月29日(水)
元旦から使えますので豊川稲荷への初詣にも使えますね。

JR東海ニュースリリース「「初旅キャンペーン」実施について」※PDFです

京急 「京急開運フリーきっぷ」発売

2011年12月14日 京急電鉄「京急開運フリーきっぷ」を12月31日(土)から2月12日(日)まで発売すると発表しました。

京急・京急開運フリーきっぷ

フリー区間は「川崎大師」へ参拝に便利な川崎大師駅や新たな名所として注目度の高い「羽田空港国際線ターミナル」を含む大師線と空港線、そしてその間の本線区間。
きっぷは発売駅とフリー区間までの往復乗車券+フリー区間乗車券となっています。

京急電鉄ニュースリリース

スタンプ物語7・大崎駅

超近代的な駅舎に様変わり

お台場・湘南への分岐駅

スタンプの絵柄は、お江戸の史跡からはずれて「新駅舎とお台場」です。スタンプは「駅の顔」といいますので、たしかに近年急速に様変わりした駅舎と線区の様子を描くのもよいPRになるでしょう。大崎駅の新駅舎が完成したのは平成15年(2003)。前年の12月に東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル~大崎間の全線開業で、JR埼京線との相互乗り入れを開始しました。

スタンプの副題に「埼京線お台場まで直通」と書かれているのはそのためです。左上に描かれている観覧車が目印の建物はお台場のパレットタウン(写真左)です。りんかい線の最寄駅は東京テレポート駅で徒歩3分。新橋から接続するゆりかもめだと青海駅に直結していますが、大崎からりんかい線(写真右)に乗れば東京テレポートまでたったの10分です。
さらに平成13年(2001)12月に開業した湘南新宿ラインも当初は大崎を通過していましたが、りんかい線開業に伴い全列車が停車するようになりました。元々大崎は山手線の保守整備をする東京総合車両センターが隣接していたため、当駅発着の山手線電車が多いことで知られていました。しかし、りんかい線と山手貨物線を経由する湘南新宿ラインの分岐駅として、いまやターミナルの要所として生まれ変わりました。乗降客数も埼京線・りんかい線開業前と比べると2012年度で倍以上に増えています。

しかし、せっかくですので、お江戸に関する情報も付記しておきましょう。大崎は江戸期には天領や大名下屋敷があったところですが、工場群と駅前再開発で急速に変貌を遂げました。それでもお江戸の史跡は開発の狭間に残されています。新東口から山手通りを右へ進み、目黒川を渡って山手線ガードをくぐり、東海道本線と山手線にはさまれたところに、タクアン漬を考案したと伝わる沢庵和尚や江戸中期の国学者・歌人で知られる賀茂真淵が眠る東海寺大山墓地があります。駅から徒歩7~8分のところです。お茶漬けに欠かせないダイコンのタクアン漬けは元々備蓄食として以前からあったといわれますが、3代将軍家光が沢庵和尚の漬物をたいそうお気に入ったようで、和尚の没後、墓参りをした際に「沢庵漬けとせよ」と命じたことから、「タクアン漬け」といわれるようになったといいます(『守貞漫稿』)。一説には沢庵和尚の墓石(写真左)が漬物石に似ていることに由来しているともいわれますが、たしかに不思議な形状の墓石ですね。
近くには近代硝子工場発祥の地(写真右/品川区北品川4―11-5)で知られる「官営品川硝子製造所跡」の碑も立っています。前身は明治6年(1873)に東海寺境内に創設された興業社で、同9年(1876)に工部省に買収されて官営となりました。のち明治18年(1885)に民間に払い下げとなり、経営不振で同25年(1892)に解散。昭和36年(1961)に建物は撤去されましたが、煉瓦造り工場の一部は愛知県犬山市の明治村に移築・保存されています。
次回の停車駅は五反田駅です。


より大きな地図で 大崎駅 を表示


※スタンプは紛失・摩滅・取替などの事情により、ない場合もございますのでご了承ください。また、駅員のいない時間帯は押せないこともありますのでご注意ください。

旅行情報やイベントをお知らせしていきます

みさなんこんにちは。鉄道旅のガイドです。

現在当サイトでは駅のスタンプ巡りをご紹介しています。東京駅から始まり有楽町、新橋と順にご紹介しています。それぞれの記事はこちらになります。

スタンプ物語1・東京駅
スタンプ物語2・有楽町駅
スタンプ物語3・新橋駅
スタンプ物語4・浜松町駅
スタンプ物語5・田町駅

・・・まだまだ続きますよ。ご期待ください。

そして、このたび鉄道旅のガイドでは旅の情報やイベントなどのニュースをお届けすることになりました。
こちらについても是非ご期待ください。

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