「名所・旧跡」タグアーカイブ

スタンプ物語3・新橋駅

汽笛一声・新橋から

ビル街のオアシス浜離宮を散歩

開業当初の新橋(汐留)駅(『回顧八十年史』)。右の復元された旧新橋停車場と見比べてみましょう。

鉄道唱歌でおなじみ「汽笛一声」の新橋駅です。
明治5年(1872)10月14日、新橋~横浜(現・桜木町)間に日本初の鉄道が正式開業し、以来10月14日は鉄道記念日となっています。まあ、ちょっと鉄道に詳しい方なら現在の新橋駅は大正3年(1914)に烏森駅から改称された駅で、旧新橋駅は国鉄の貨物駅となった汐留駅ということはご存知でしょう。その汐留駅も昭和61年(1986)に廃止され、跡地は国の史跡に指定。平成15年(2003)には旧新橋駅停車場として、開業当時の駅舎が再現されています。鉄道歴史展示室として無料で入館(月曜休)できますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか? 新橋駅汐留口から歩いて5分です。詳しくはこちらをご覧ください。

本題のスタンプは浜離宮恩賜庭園。新橋駅汐留口から徒歩12分のところにあります。これぞ徳川将軍家ゆかりの庭園。承応3年(1654)、甲府藩主松平綱重(6代将軍家宣の父)が当地に別邸を建てたのが始まりで、将軍家宣の代に大幅な改修が行われたといいます。江戸時代は浜御殿と呼ばれていましたが、明治以降は宮内庁の管轄となり、浜離宮と改められ、外国人を接待する迎賓館としても用いられました。戦後、都に下賜され、昭和21年(1946)に都立庭園として一般に開放されるようになりました。
四季折々の花も見事ですが、当園の魅力は東京湾の海水を引き入れた「潮入りの池」でしょう。池にボラやセイゴ、ハゼなどが泳いでいるってなんか竜宮城の趣がありませんか(乙姫様はいませんが)。それに四季の花々や野鳥の宝庫としても知られ、水上バスの発着地にもなっています。浅草・両国およびお台場や葛西臨海公園などへはちょっとしたクルーズもおもしろいかもしれません。詳細はこちらをご覧ください。

現在は破棄されてしまったようですが、これ以前のスタンプでは、鉄道唱歌の碑とSLが描かれていました。鉄道唱歌は明治33年(1900)に大和田建樹の作詞で、駅前には鉄道唱歌の歌碑とSLのC58の動輪があります。さらに日比谷口のSL広場には、C11が静態保存されており、12時、15時、18時の1日3回汽笛が数秒間鳴るそうです。汽笛に耳をすませば、やはり新橋は「鉄道発祥の地」ということが実感できるのではないでしょうか。
次回の停車駅は浜松町です。


より大きな地図で 新橋駅 を表示

※スタンプは紛失・摩滅・取替などの事情により、ない場合もございますのでご了承ください。また、駅員のいない時間帯は押せないこともありますのでご注意ください。

スタンプ物語2・有楽町駅

現在は建替で休館中の歌舞伎座

第四期の原型を活かして完成を待つ

本日は有楽町です。この地名の由来は織田信長の弟長益(1547~1622)が江戸開府の際に、徳川家康からこの付近に土地を拝領したことから、号名の「有楽斎(うらくさい)」をとって明治時代に有楽町と付けられたそうです。ところでこの織田有楽斎、信長が横死した本能寺の変時(1582年)に嫡男信忠とともに二条城に立て籠もったのですが、自分だけ自害せずに城を脱出。さらにその後の大坂冬の陣でも豊臣方として大坂城にいましたが、夏の陣前に城から出る(徳川のスパイ説・和平派説などあり)など、その運のよさと戦国の世におけるしぶとさは特筆できます。一等地の地名に残るほどですから。

ちなみに有楽町中央口駅前の有楽町イトシアには、近年の駅前開発で発掘された南町奉行所跡の石組(写真右)が保存されています。南町奉行所といえば『遠山の金さん』でおなじみの遠山景元が務めたところです。何気なく利用している駅にも歴史がありますね。

ずいぶん脱線してしまいましたが、スタンプの歌舞伎座は銀座口から徒歩6~7分のところです。歌舞伎専用の劇場として明治22年(1889)に開設。その後、漏電による焼失、関東大震災などに見舞われながら大正14年(1925)に新築したのですが、こちらも昭和20年(1945)の東京大空襲で焼失。現在の建物は戦後昭和25年(1950)に竣工したもので、先に焼失した第三期の建物のデザインを生かしています。しかし、この建物も老朽化・バリアフリーへの対応を理由に平成22年(2010)4月の公演をもって休館。現在は建替工事中で、高層ビルとつながった第五期の複合施設が完成するのは2013年春です。プレスで発表された完成予想図からも分かるように、以前の伝統的な和風桃山様式を活かした建物になるようで、完成が待ち遠しいですね。

現在はすでにありませんが、これ以前のスタンプでは、山手線とマリオンと大黒様が描かれていました。高額当選で有名な宝くじ売り場に祀られている大黒様(有楽町ロッタリープラザ)で、中央改札口内にも別に一体が祀られています。構内の有楽大黒は昭和初期に謹彫。当時駅前にあった寿司屋の主人が秘蔵して、毎晩拝礼していましたが、太平洋戦争末期に駅長に寄贈されたもので、昭和56年(1981)春から現地に鎮座されています。利用者の安全や幸福をお守りしている神様で、宝くじ売り場の大黒様と両方お祈りすれば宝くじが当たるかもしれませんね。昭和62年(1987)4月のJR誕生と同時にできたと思われるスタンプも有楽町の特徴をよく表現していました。次回の停車駅は新橋です。


より大きな地図で 有楽町駅 を表示

※スタンプは紛失・摩滅・取替などの事情により、ない場合もございますのでご了承ください。また、駅員のいない時間帯は押せないこともありますのでご注意ください。