「連載記事」カテゴリーアーカイブ

スタンプ物語45・王子駅

清涼感いっぱいの音無親水公園

桜の飛鳥山と都電もお忘れなく

スタンプは駅から徒歩1分の「音無親水公園」です。石神井川の旧水路に設けられた公園で、石神井川は古くは音無川と呼ばれていました。江戸名所図会にも描かれた名所で、弁天の滝、不動の滝、王子の大滝などの見ごたえのある渓流があったそうです。昭和30年代から始まった河川改修工事で石神井川の流路が変更になりましたが、親水公園として整備され、昭和63年(1988)に開園しました。水はろ過によって循環されているので、夏は子ども水遊び場として賑わっています。旧流路沿いには遊歩道も設けられ、緑に包まれており、江戸時代の風景を見事に再現しています。公園自体はそれほど大きくありませんが、「日本の都市公園100選」にもなっています。

王子といえばもうひとつ忘れてならないのが飛鳥山公園です。元文2年(1737)に8代将軍・吉宗が桜の名所として庶民に開放した公園で、歌川広重『名所江戸百景』にも描かれています。平成21年(2009)7月17日からは駅中央改札から山頂まで2分で結ぶ斜行モノレールの「飛鳥山公園モノレール」が運転されており、高齢者にも好評を得ています。また、ここで都電とクロスしますが、都電の王子駅前~飛鳥山公園間は車と一緒に走る併用軌道でも知られ、明治通りを跨ぐ歩道橋から写真を撮ることができます。

広大な敷地内には平成10年(1998)に開館した三つの博物館(写真左から北区飛鳥山博物館・紙の博物館・渋沢史料館)があります。入館はいずれも300円。9~17時。月曜(祝日の場合は翌日)と祝日の翌日休。3館共通券720円がおトクです。それぞれにスタンプもありますので、ぜひ全館見学することをおすすめします。
また駅から反対側で徒歩5分のところには、国立印刷局の「お札と切手の博物館」があり、こちらは無料で見学できます。9時30分~17時。月曜(祝日の場合は翌日)休。
次回の停車駅は東十条駅です。

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※スタンプは紛失・摩滅・取替などの事情により、ない場合もございますのでご了承ください。また、駅員のいない時間帯は押せないこともありますのでご注意ください。
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スタンプ物語44・上中里駅

大正の面影を残す旧古河庭園

洋館に彩を添えるバラが見事

中央本線が終わりましたので、今度は田端駅以北の京浜東北線(東北本線)で北へ向かいます。
田端の次が上中里駅で、スタンプは徒歩7分の「旧古河庭園」です。大正6年(1917)に古河財閥3代目当主の虎之助によって洋館と庭園が造られました。昭和31年(1956)に都立公園となり、平成18年(2006)には国の名勝として指定されています。なかでも有名なのがバラ園で、春バラ(5月中旬~6月)、秋バラ(10月中旬~11月)の開花期に合わせてイベントが開催されます。

また回遊式庭園も見事で、春は桜、秋は紅葉の名所です。スタンプも設置されていますので、ぜひ訪れてみてはどうでしょうか。入園150円。9~17時。無休。

駅周辺には他にも多くの見どころがあります。駅至近のところには源氏の棟梁・源義家を祀る平塚神社があり、徒歩5分のところには北区防災センター内にある地震の科学館(写真左)が無料で見学できます。さらに5分ほど歩くと滝野川警察署の近くに西ヶ原一里塚(写真右)があります。当時岩槻街道と呼ばれていた通りに置かれた一里塚で、元の位置にある一里塚としては都内唯一のもので、道路改修工事に撤去されそうになったときも東京市長や渋沢栄一の尽力で保存されることになりました。大正11年(1922)には国の史跡に指定されています。
次回の停車駅は王子駅です。

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スタンプ物語43・西荻窪駅

善福寺池はちょっと遠いけど

四季折々の自然がいっぱい!

第30回から始まった中央本線沿線の旅も東京支社印での紹介は今回が最後になってしまいました。
スタンプは「善福寺公園と荻」。駅から関東バスで約5分、善福寺下車徒歩5分になりますが、駅から徒歩20分程度ですので善福寺川沿いを歩いて散策するのも一興かもしれません。
善福寺池は上池と下池の2つの池からなり、善福寺川の水源になっているほか、杉並浄水所の水源にもなっています。都立公園として整備されたのは昭和36年(1961)ですが、古来より湧水池として知られていました。周辺には武蔵野の雑木林が残り、春はサクラ、秋は荻の名所として知られています。ただ、上池と下池ではかなり趣が違い、上池はボート場(土・日曜、祝日のみ営業)があって遊ぶことができますが、下池は湿生植物の保護がされており、荻の見られるのは下池になります。

園内の上池にある市杵島神社には源頼朝が奥州征伐の際に飲水を求めて井戸を掘ったが、水の出が遅く弁財天に祈ってようやく水が出たことから「遅野井」(写真左)と呼ばれ、かつての地名にもなっていました。
近くには源頼朝が奥州征伐で戦勝祈願した井草八幡宮(写真右)もあり、境内には文華殿(宝物館)、民族資料館もありますが、文華殿は例祭日の9月30日~10月1日のみ、民族資料館は公開が4~7月、9~12月の第1日曜日、8月の第4日曜(入館200円、10~15時)と限定(10月は別棟で企画展を開催し無料)されていますので、見学したい方は公式サイトでご確認ください。

また西荻窪駅から関東バスで約7分、荻窪警察署前で下車(駅から徒歩なら20分程度)すると、平成17年(2005)3月にオープンした杉並アニメーションミュージアムと荻窪八幡神社があります。杉並アニメーションミュージアムは杉並会館3F部分にあり、藤子不二夫作品に登場する小池さんのモデルとなった鈴木伸一氏が館長をつとめ、アニメ全般の歴史や制作過程などを紹介しています。入館無料。10~18時。月曜(祝日の場合は翌日)休。スタンプもあり、シアターやライブラリーもありますので、1日ゆっくり楽しむことができます。

隣接する荻窪八幡神社(写真左)は旧上荻窪村の鎮守で、前九年の役(1051~62)の際、源頼義が戦勝祈願したと伝わり、江戸城を築いた太田道灌も石神井城主・豊島泰経を攻める際に祈願し、その際に植えた樹齢500年の道灌榎(写真右)が御神木として祀られています。
中央本線は終わりましたので、続いては北に目を向け、東北本線へと進みます。ただし田端まではすでに紹介していますので、次回の駅は上中里駅になります。


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スタンプ物語42・荻窪駅

音楽評論家・大田黒元雄の自邸は

四季折々の花が咲く区民憩いの場

スタンプは駅南口から徒歩7分の大田黒公園です。この公園は音楽評論のパイオニアといえる大田黒元雄(1897~1979)の自邸を整備したもので、師の遺志に基づき、遺族から杉並区に寄贈されたものです。

園内には回遊式日本庭園や茶室、昭和8年(1933)建立のレンガ造洋館を改装した記念館などがあり、四季を通じて自然と親しむことができます。開園は9~17時で入園無料。年末年始を除き無休。紅葉などの季節には夜間の時間帯も開放される期間があり、ライトアップの庭園を楽しむこともできます。

続いて北口にも目を転じてみましょう。北口から徒歩10分のところには天沼弁天池公園(写真左)があり、写真右の杉並区立郷土博物館分館(入館無料/9~17時/月曜〈祝日の場合は翌日〉、第3木曜〈祝日の場合は翌日〉休)もあります。また西口改札の北口から徒歩5分のところには、和銅元年(708)創建で、荻窪の地名の由来となった「荻寺」と呼ばれる古刹・光明院があります。
次回の停車駅は西荻窪駅です。


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スタンプ物語41・阿佐ヶ谷駅

七夕といえば阿佐ヶ谷

ケヤキの大木が歴史を語る

スタンプは「七夕とケヤキ並木」。阿佐ヶ谷七夕まつりは、7月7日の月遅れである陽暦8月7日を中日として例年8月5~9日の5日間行われます。昭和29年(1954)、阿佐ヶ谷商店街組合によって行われたのが始まりで、昭和37年(1962)にはアーケードが完成。駅南口のアーケード商店街の阿佐ヶ谷パールセンターが会場になります。期間中は巨大なくす玉飾りが設置され、吹き流しや提灯に加え、各商店の手作りによる人気キャラクターの大きな張りぼてが人気です。本年度はもう終わってしまったので、2013年に期待しましょう。

ケヤキ並木(写真左)は、阿佐ヶ谷駅東側を南北に貫く都道427号で見られます。通称は中杉通りと呼ばれていますが、青梅街道から分岐する杉並区役所から早稲田通りと交差する阿佐ヶ谷北六丁目まで並木道として整備され、木陰が通行者を和ませています。
北口からこのケヤキ並木を一本東に入ると「欅屋敷」と呼ばれるケヤキの大木に囲まれた屋敷があります。ここは旧阿佐ヶ谷村の名主をつとめた相沢家の屋敷森で樹齢400年というケヤキは都の史跡に指定されており、土地の歴史を見守っています。隣接して阿佐ヶ谷村の鎮守であった阿佐谷神明宮(写真右)もあります。主祭神は天照大御神で、日本武尊が東征の帰途、阿佐谷で休息し、のちに武功を慕った村人が一社を建てたのは始まりといわれます。古くから信仰を集め、9月15・16日の例大祭には能楽殿で阿佐ヶ谷囃子が奉納され、江戸末期からの伝統があり、区登録無形民俗文化財となっています。


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