「鉄道旅行」カテゴリーアーカイブ

スタンプ物語1・東京駅

日本一の城・皇居(江戸城)へ

向かって造られた日本一の駅


 いよいよ本題のスタンプ第1弾は、お江戸をテーマにしたものを中心にしたJR東日本東京支社のスタンプを紹介していきます。江戸開府400年を機に2004年からはじまったスタンプのシリーズで、きちんとスタンプ台も設置されており、山手線を中心に中央線・京浜東北線・常磐線など首都圏エリア77駅にあります。こういったスタンプに目を向ければ、ふだん何気なく乗り降りしている首都圏駅もまた別の楽しみが湧くというものです。
 スタンプの色は黒で統一されていますが、備え付けの朱肉ではインクが乾いていてきれいに押せないことも間々ありますので、スタンプの朱肉は持ち歩いたほうがいいかもしれません。

最初は日本の顔というべき東京駅でしょう。細かい駅の歴史は省略してスタンプの絵柄を考察します。東京駅といえば皇居で、スタンプの二重橋は皇居正門から宮城に至る濠に架かる正門石橋とその奥の正門鉄橋の総称ともいわれますが、厳密には奥の橋のこと指し、撮影ポイントとして知られます。

開業当初の東京駅(『回顧八十年史』)。赤レンガの丸の内駅舎は2007年5月から開業当時の3階建に復原するため、工事に入っています。2011年末完成予定でしたが、震災の影響もあって開業は2012年10月予定だそうです。楽しみですね。

  大正3年(1914)に東京駅が開業したとき、丸の内中央口から皇居まで新しく道幅60mの道路がつけられ、この道を進むと和田倉門があり、広大な皇居外苑に出ます。このスタンプの二重橋までは丸の内中央口から徒歩10分。東京メトロ千代田線の二重橋前・日比谷、有楽町線桜田門、次の有楽町のほうが目的地まで近かったりするのですが、やはり東京駅は皇居に向けて造られた駅ですので、当駅からの皇居散策をお楽しみください。皇居は徳川将軍15代の居城で、現在は西側の115万平方メートルに御所が置かれ、東地区の江戸城旧本丸、二の丸、三の丸、北の丸が公園として一般公開されています。見学可能な東御苑な東御苑の詳細はこちらをご覧ください。

  ところで東京駅には2011年11月現在、上記のスタンプしかないのが寂しい限りです。筆者が学生の頃は「東京駅にはたくさんスタンプがある」と聞いており、かつては新幹線の乗車記念スタンプから他のスタンプなど、広大な東京駅構内を歩き回って集めた記憶があるのですが、過去のスタンプはまた改めて紹介することにしましょう。それにしても日本一の東京駅ですから、スタンプも数種類用意して各案内所に設置し、JR東海も独自のスタンプを設置してほしいものです。

  それでは東京駅から山手線内回りに乗って一周し、各駅のスタンプを紹介していきますが、これからも長い付き合いのほどよろしくお願いします。次回の停車駅は有楽町です。


より大きな地図で 東京駅 を表示

※スタンプは紛失・摩滅・取替などの事情により、ない場合もございますのでご了承ください。また、駅員のいない時間帯は押せないこともありますのでご注意ください。

意外に便利な都区内パス

スタンプ集めはもちろん
ちょっとした移動手段でも安上がりに!

私鉄にも使えるようになったSuicaなどのICカードは首都圏の移動に大変便利ですが、1万円をチャージしてもすぐになくなってしまいますね。その便利さについ忘れがちですが、東京23区内のJRが1日乗り放題のフリーきっぷとして「都区内パス」730円(こども360円)があります。複数途中下車する場合は、断然おトクです。通年発売しており、券売機からも購入できますので、あらかじめ買っておけば、地下鉄で移動する手段を、遠回りしながらもJRを使って目的地へ向かうことができるし、他の私鉄運賃も節約できる手段となります。

例えばフリー区間で中央線の西荻窪から東京へ向かうとします。片道運賃は380円なので、往復で760円。単純に往復するだけでも30円おトクな計算になります。また先日、中野から池袋、品川、東京と3件打ち合わせがありましたが、これでも普通に切符を買えば計780円なので、50円のおトクになります。そんな感覚でうまく利用すれば、1日で軽く倍以上おトクになってしまうのではないでしょうか?
もうひとつの楽しみは、スタンプ集めです。山手線をはじめとする首都圏77駅にもスタンプが設置されていますが、では実戦として山手線の全29駅のスタンプを手始めに解説していこうと思います。

次回は東京駅から時計回りに山手線を一周し、1日1駅づつ更新していきます。お楽しみに。

スタンプコレクション

お金のかからないコレクション
スタンプ帖がなくても白地の紙があればOK!

いよいよ「鉄道旅のガイド」のブログが始まりました。
「鉄道旅のガイド」と銘打っていますが、まずは手始めに著者がコレクションしている駅の記念スタンプの話から始めたいと思います。
駅スタンプの歴史は古く、最初は昭和6年(1931)に福井駅に設置されたのが始まりといわれます。当時は直径5cm程度の小さなものでした。その後の設置駅は不明ですが、日付入りのスタンプがかなり高い確率で設置されていたようで、日本統治時代の台湾・樺太・朝鮮の鉄道駅にもスタンプがありました。

戦後、国鉄が増収策として初めて全国的に統一したスタンプで始めたのが、昭和45年(1970)の「ディスカバージャパン」(左上)で、このとき国鉄約1400駅にスタンプ台とともに設置され、弘済出版社(現・交通新聞社)からスタンプ帖が発売されて爆発的なブームを呼びます。その後、昭和52年(1977)に「一枚のキップから」(右上)、翌年には「いい日旅立ち」(左下)のキャンペーンがありましたが、残念ながら国鉄末期の赤字財政のため、設置駅は激減しました。ただし、古いキャンペーンのスタンプをそのまま残している駅もたくさんありました。

国鉄最後のキャンペーンが昭和55年(1980)にはじまった「わたしの旅スタンプ」(右下)です。これはスタンプを丸・四角・五角・六角の4種の形と黒・赤・紫の3色を組み合わせて12種類に分類したもので約740駅に設置。スタンプブームの最盛期を迎え、よく夜行列車などで数分止まる駅などは、スタンプを押しに設置箇所へ駆け込む光景がみられました。このキャンペーンはその後の駅無人化や新規設置などで増減がありましたが、JR化後もそのまま踏襲されました。

90年代に入るとJRも支社ごとに独自のスタンプをつくりましたので、設置駅の掲載されたスタンプ帖は消滅。スタンプ帖もこのとき売上げが激減し、駅売店の『キヨスク』からも消えてしまったようです(現在は通販と一部の書店で入手することは可能)。
しかし、駅スタンプは、JR化後に設置駅がかえって増える傾向にあります。詳しいことは追々話していきたいと思いますが、設置駅などの情報は、スタンプファンの方が運営しているサイトが詳しいです。まずは一番身近なJR東日本の東京支社印で山手線を一周してみましょう。スタンプの印影に描かれた名所・旧跡・PRなど深く追求していきたいと思います。
次回は、その東京支社の山手線内スタンプ集めに有効なフリーきっぷを紹介します。