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[場所]JR奈良線 山城青谷-山城多賀
天井川の鉄道隧道の中でも掘削トンネルを
特に限定で訪ねる不定期シリーズです
JR奈良線は、この名称に反して奈良県には敷設されていないので有名だ(笑)。さてそんな同線だが、見所はまだまだある。その一つが天井川をくぐる地点の多さにあろう。
区間的には長池-棚倉 間に集中しているが、ただしこの中で掘削トンネルなのは、実は2ヶ所しかない。
そのうち天井川シリーズ第1回として 玉水-棚倉 間にある天井川隧道の掘削トンネルである「不動川トンネル」探訪を2020年5月5日アップで紹介しているが、この度はもぉ一つの区間 山城青谷-山城多賀 間にある「青谷川トンネル」と、同区間の隣区間にある他の跨線水路橋タイプの天井川トンネル(?)にも焦点をあてていこう。
「天井川」は中学くらいの社会科で習っているので皆さんはどんなモノか解ってると思う。また、そこをくぐり抜けるために鉄道隧道が存在していることも、当サイトの読者ならご存知だろう。なので天井川の説明は省略させていただくが、詳しくは2016年1月6日アップ「日本で最初に作られた鉄道トンネル石屋川隧道を訪ねてみた」の記事中で少し解説しているので、合わせて見ていただけたらとお願いしたい。
なお、JR奈良線は京都方が上りなので、その都合からタイトルの標記は「山城青谷-山城多賀」になっているが、訪問は南側の山城多賀方から訪ねている点を申し添えておく。
では、そんな天井川をくぐる青谷川トンネルの間近へいってみよう。
天井川隧道掘削トンネルの特徴としては、短いので向こう側の景色が見えるのと、上の山が低いというのがあり、この要素により運転席後から前面や、車掌室前から後面を眺めていると、天井川はそれなりに見分けがつく。
ところで、現在の天井川をくぐる線路のスタイルとしては開削トンネルか跨線水路橋タイプが多く、掘削トンネルはかなり少ない。上記リンクの記事中で紹介している「芦屋川隧道」と「住吉川隧道」も開削トンネルと見られ…ならば掘削タイプの天井川隧道が見たい…っていうのもあって、それを探していた結果、その報告をしたくなったのが、この不定期シリーズを始めるキッカケになっている(汗)。
次は、青谷川トンネルの上にいき、天井川がどんな流れなのか、その川を見てみよう。
さらに、青谷川の丘を越えて、山城青谷(京都・北)側の天井川トンネルの坑門を眺めに行こう。
北(京都)側一番目の市之辺踏切から青谷川隧道を遠望してみると、国道307号・県道70号の道路がトンネル上を通っているのではなく、トンネル坑門手前に架けた陸橋にて線路を越えているのが確認できる。
望遠レンズでの撮影だと少し判りずらいかも知れないので、後面展望で撮影した青谷川隧道の北(京都)側坑門の写真も掲載しておこう。
長池-山城青谷 間には跨線水路橋タイプがある
青谷川隧道がある区間の山城青谷駅を挟んで反対(京都)側の 山城青谷-長池 間にも天井川が1本あり、こちらは跨線水路橋で、線路はそこをくぐっている。ということで現地探訪ではないが、前面展望or後面展望で、その天井川が跨線するスタイルを京都(長池・北)側から紹介していこう。
この跨線水路橋の天井川は長谷川という。
では反対の山城青谷(木津・南)側の写真もお見せしよう。
天井川をくぐる掘削隧道は国内にまだまだあるし、この前々回から廃川の旧河道も訪問することにしたので、対象がますます増えた。それがドコなのか? 折りを見てぼちぼち記事にしていくので、楽しみにしてていただけたら幸いだ。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。