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[場所]IRいしかわ鉄道 金沢-津幡 + JR七尾線 津幡-和倉温泉
2021年3月13日にJR西日本北陸地区の七尾線 津幡-和倉温泉 間がICOCAエリアに加わった。ということで、たまたま先日に七尾線に乗る機会があったので、普通列車におけるその運賃支払い方式を眺めてきた。
ちなみに、JR西日本の普通列車的には交通系ICカードの利用区間は 津幡-七尾 間になるが、ICOCAエリア拡大区間と、七尾線の普通列車の運行区間を鑑み、上の[場所]の標記は 金沢-和倉温泉 とさせていただいた点をご理解いただきたい。
■一部の駅には地上型IC専用改札機がない?
七尾線が直流1,500Vで電化されていて、津幡-中津幡 間にデッドセクションがあることは当サイトの読者ならご存知と思う。ということで七尾線に521系が新製されたのは解るのだが、ICOCAエリアへなるにあたり、100番台(タイトル写真)なる新番台をあえて投入した。これはナゼなのか!?
そこがチョット気になったのも訪ねた理由になっている。
上の写真は普通列車しか停まらない駅の改札口だが、JRの交通系ICカード利用エリアに含まれた地方線区で良く見掛ける地上型IC専用改札機がない。
勘の良い読者の方ならもぅお気づきと思うが、七尾線ICOCAエリア化では普通列車においては車載型IC改札機を採用したので、投入された521系は車載型IC改札機なしの0番台と区分するため「100」番台になった(他にも細部に違いはある)。
車載型IC改札機とは鉄道車輛の中に交通系ICカードの簡易改札機を設けて、乗車・下車時にその読み取り部にICOCAなど交通系ICカードをタッチして運賃を支払うシステムを担う機器のこと。
まぁこの方式はすでに大都市圏の路面電車・バス路線では一般的になっているので驚くことではないが、鉄道(自社線内のみで完結する独自のICカードを導入している鉄道を除く)に登場したのは割と最近で、2019年3月16日からJR西日本 境線においての使用が始まりになる。その約1年後の2020年3月14日にはJR西日本 万葉まほろば線(桜井線)・和歌山線でも使用を開始してICOCAエリア拡大に貢献している。
それから約2年の時を経て、七尾線と関西本線 加茂-亀山 間と きのくに線(紀勢本線)紀伊田辺-新宮 で使用を開始した。
本来なら2年前に境線でリポートするべきだろうが、遅れたことをお許し願いたい。
では、521系100番台の車載型IC改札機を入口→出口の順で眺めていこう。
なお、区間内で車載型IC改札機にて乗り降りする駅(いわゆる地上型IC専用改札機がない駅)は、本津幡・能瀬・横山・免田・宝達・敷浪・南羽咋・千路・金丸・能登二宮 になる。また、七尾-和倉温泉 間の のと鉄道普通列車 ではICサービス(?)は利用できない。その他、4両編成の利用方法など、詳細は下記URL参照。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/201218_00_ticketless_hokuriku.pdf
すでに車載型IC改札機導入の2路線+αの車輛
せっかくなので、JR西日本においてすでに車載型IC改札機を導入している 境線 と 万葉まほろば線(桜井線)・和歌山線 + 七尾線と同期の関西本線 加茂-亀山 間の車輛の写真も載せておこう。
境線の写真は2019年8月に撮影しているのだが、すると筆者はSUICA利用で乗車していることになる。なのにスグさま当サイトのネタにしなかったのは、いまとなっては謎である(笑)。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。