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[場所]秋田臨海鉄道 南線
秋田県の貨物鉄道秋田臨海鉄道より「…令和3年3月末をもちまして事業を停止することを決定し、令和2年9月25日付けで国土交通大臣あて鉄道事業の廃止の届出を行いました。」との発表が同社HPにて2020年10月1日になされた。
ということで、同鉄道を雪が降る前には訪ねたかったので、2020年9月30日に行ってきた。
おそらくこの時期の訪問が雪なし景色の見納めになると予想したので、思い立ち慌てて出掛けたわけだが、ことしの初雪は早かったのと、降雪量も多いで、それは正解であった。
そんなわけで、このまますると廃止日までに積雪が解けないと思われたので、廃止日頃の掲載写真の季節感がズレる可能性があるため、本来なら当サイトでは1年半以内くらいの写真の場合には季節モノ以外はその撮影時期は明記していない(←内部ルールです)が、読んだ方の混乱を防ぐため、本記事では上に記したしだいだ。
秋田臨海鉄道はJR奥羽本線貨物支線の 秋田港駅 から南北に延びる路線を有している。だがこのうち、アップ日時点では北線は休止中であるため、実質的には南線の 秋田港-向浜 間5.4kmのみの鉄道と言ってもよいだろう。
ところで「秋田港駅」とは聞き慣れない駅名と思われる人も少なからず居ると思うが、クルーズ客船向け「あきたクルーズ号」の発着駅と言えばピンッとくるはずだ。
なので、土崎-秋田港 間はJR線なので2021年3月末以後も存続する点を申し添えておく。
余談になるが、筆者はプロフィールに「日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。」と記してあるが、個人的ルールとして定期旅客営業列車走行区間を対象にしているため、それが走っていない奥羽本線貨物支線 土崎-秋田港 間には乗っていない(キッパリ)。
■廃止まで残った秋田臨海鉄道のDLたち
せっかくなので、訪ねた日に撮れた秋田臨海鉄道のカマたちの写真を載せておこう。
まずは秋田港駅北東の道路から見たDL群の写真なのだが、この中に秋田臨海鉄道のカマは2両しかいない(笑)。
では1両1両を眺めていこう。
ちなみに、DE10 1543号 は庫の奥にいたため写真はない(泣)。
ということで、そのデータはこちらの本文に記しておく。
DE10 1543 日本車輌1971年製造、A寒地仕様。国鉄→JR東日本→十勝鉄道を経て、2014年3月25日から秋田臨海鉄道で運用開始。
臨海鉄道っぽい踏切7選
臨海鉄道であるから、やはり港湾地区を走っているわけで、沿線には倉庫群や流通施設が並び、その脇を線路が通っていて、こんな建物を背景にした踏切が存在する。せっかくなのでこのうち第4種踏切からの産業港らしい7ヶ所を抜粋で紹介しておこう。
なお「産業港らしい…」の基準は筆者個人の判断であることを申し添えておく。
◆第2秋田専用 起点から1k152m◆第3秋田専用 起点から1k364m◆日本通運秋田 起点から1k514m◆出光興産 起点から2k054m◆昭友秋田 起点から2k234m◆エネックス 起点から2k329m◆第1全農秋田 起点から2k514mいま秋田臨海鉄道の走行シーンを見ておけば「オレは秋田臨海鉄道の現役時代を知っている。」と後世に語り告げることだろう。
ただし現時点での列車の運行は平日の月・水・金のみになっているし、筆者が訪れた日には夕方の1往復がウヤになっていた。そのような状況を鑑みると、秋田臨海鉄道の鉄道事業の廃止は2021年3月末とは発表されているが、これはあくまで会社の事業的な話しであり、営業列車的にはもっと早い時期に運行休止される可能性もあるので、注意が必要だ。
■2021年3月13日筆者追記:2021年3月12日の24列車を最後に、秋田臨海鉄道南線における運行を終了した。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。