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[場所]富士急行 鉄道線全線
山梨県の富士急行には、リバイバルカラーではあるが2009年4月18日から富士急行旧標準色を纏った1200形1202Fが運行されており、富士急行線の昭和31(1956)年~平成一桁代の頃を知る世代にとっての懐かしい鉄道情景を魅せてくれている。さて、そんな富士急行旧標準色1202Fだが、「…10月下旬をもって引退することになりました。」との発表が富士急行から2020年9月30日になされた。
そんなわけで、おそらくこの編成の引退が富士急行旧標準色の見納めになると思われるので、そんなカラーリングにエール(←そこにかい…笑)を贈りたく、富士急行線を訪ねてみた。
富士急行旧標準色は、車体の腰板部と雨樋付近をサランダブルー、上半窓周りなどをオーシャングリーンとし、境目下に白帯を配したカラーリングで、富士急行が富士山麓電気鉄道を名乗っていた1956年に導入した3100形から施された。
では、そんな伝統がある富士急行旧標準色を纏った1200形1202Fを、まずは大月・河口湖方のモハ1302から眺めていこう。
富士急行1200形は元・京王5100系で、1202Fは元デハ5116+クハ5866。上写真の大月・河口湖方モハ1302は元・京王クハ5866になる。
そして富士山方モハ1202は元・京王デハ5116。
次は、そのモハ1202を眺めてみよう。
1200形1202Fは1994年7月23日に富士急行線へ入線した。
富士急行線と京王線では軌間が異なるのは当サイトの読者なら皆ご存知と思うが、このため1000系1000形・1200形が富士急行線にくるにあたって台車などは1,067mmの帝都高速度交通営団3000系の廃車発生品である住友FS510に履き換え、電動車を2両ユニット化して入線させている。
なお、1200形の場合は車内もセミクロスシート化されている。
ところで、上々の走行などの写真3枚を撮ったのは下吉田駅近辺なのだが、ここを選んだのは富士急行訪問ついでに同駅に併設されている「ブルートレインテラス」(入場料必要)にも寄ろうと思っていたからだった。けれども訪れた日が第一月曜日で、うっかり忘れていたのだがこの日は月唯一の休園日。何とそんな日に見事に命中してしまった(笑)。ということで、中に入れずお預け状態…。
なので、本記事では外からの写真のみでお許し願いたい。
いつになるかは約束できないが、いずれ「駅前などにある鉄道系展示品を訪ねる」シリーズで紹介したいとは思っている。
余談になるが、下吉田駅から西に200mほどの場所にコーヒースタンドを見つけた。写真4・5枚目の写真を撮った場所に近く、電車を待っている間に一服できて助かった。
富士急行の発表では1202Fの引退時期は「10月下旬」と漠然と記しているが、10月24日・25日に富士急トラベルによる「さよなら1000系1202号編成ツアー」が開催されるので、このあたりがX(エックス)デーになるのかも知れない。←あくまで筆者予測です。保証はいたしません(笑)。
ちなみに、引退するのは1202F富士急行旧標準色車輛であり、他の残った1000系はまだ現役で活躍することを申し添えておく。
■2020年10月14日筆者追記:1202号編成が10月28日(水)に引退する旨の発表が富士急行(株)からありました。
https://www.fujikyu-railway.jp/upload/file/1202.pdf
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。