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[場所]銚子電鉄 海鹿島-君ヶ浜
千葉県の銚子電鉄は、太平洋側の犬吠埼を巡る総延長6.4kmの地方私鉄なことは皆さんご存知と思う。また最近では「電車を止めるな!」なる映画を制作したりと、鉄道以外でも名を馳せている。
ところで、ココはケイオー出身の電車が幅をきかせる以前のほんの4年前までは、単コロもコトコトと走る情緒あふれる、いかにもローカル鉄道という情景が展開されていた。自分もその雰囲気が好きだったので、それなりの回数を訪れている。
さて、この鉄道の電車線だが、なんとイマとなっては珍しい直接吊架式電車線が現時点でも採用された鉄道路線になっている。なので、外出自粛のご時世ということもあり、2年くらい前の写真にて、記事を組んでみた。
直接吊架式電車線なら、東京だけに限って見ても、東急世田谷線や都電荒川線(さくらトラム)の一部にあるし、全国を見回したら採用している路線はまだまだある、と言われそうだが、それらは軌道法による軌道で、鉄道事業法による普通鉄道ではないので、別扱いにさせていただきたい。
では、そんな銚子電鉄のローカルタイプ直接吊架式電車線と架線柱の様々なタイプを撮影名所区間の 海鹿島-君ヶ浜 で眺めていこう。なお、この「撮影名所区間」については筆者の個人の感想であることを申し添えておく。
かつては全国各地の私鉄で見られた地方ローカル私鉄タイプの直接吊架式電車線だが、おそらく現在の日本では銚子電鉄と熊本電鉄の一部だけ(軌道を除く)ではないだろうか? 稀少となった地方ローカル私鉄の電化方式が首都圏で見られるというのもスゴイと思う。
ちなみに、JR弥彦線弥彦駅の直接吊架方式電車線を2019年7月10日アップで紹介しているので、合わせて見ていただけるとありがたい。
画面内の第4種踏切の写真も載せておこう
架線ばっかり見上げていても頸が痛くなる(←画面なのでそんなことはない・笑)ので、上の写真内に度々登場している、模型にしたくなる第4種踏切も眺めておこう。
それにしても、「模型にしたくなる」と書いてしまっているが、筆者はNゲージでこの踏切をモチーフにしたジオラマを実際に作ってしまったのはココだけの話(汗)。
そして、それらを加味して思ったこと。木製の片持ち架線柱に直接吊架式電車線の単線線路といった情景には、やっぱりシルヘッダー付の吊掛け電車の単コロ運転が似合うよなーってこと(←個人の感想です)。
でも、銚子電鉄の吊掛け電車は、もう10年も前に廃車になってるから有り得ないよね。
確かに10年くらい前の感覚だったら吊り掛け電車はオンボロ以外の何者でもなかった。だが、10年の時を超えた現代においては、走ればヴィンテージ的貴重品として銚子名物になる要素があるだろうし、観光のウリにもなり得よう。復活とかクラウドファンディングでどうにか…は、もう映画「電車を止めるな!」(2020年夏公開予定らしい)で募ってるから…ならないよね。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。