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[場所]熊本電鉄藤崎線 藤崎宮前-黒髪町
熊本電鉄の鉄道線は鉄道事業法による鉄道だが、藤崎線の藤崎宮前-黒髪町 間の一部に併用軌道が存在する。
さて、熊本電鉄の併用軌道部分だが、舗装道路の路側に沿って線路が敷設された、いわゆる「路側軌道」のスタイルになっていて、道路の真ん中を通る併用軌道を見慣れた身からすると、家の玄関前を線路が通っているという稀な、鉄道好きにとって魅惑の憧憬が続いている。
ところで「路側軌道」とは聞き慣れない言葉だとは思うが、鉄道情景好きの一部の間で使われている語句で、道路の真ん中を通る併用軌道と、道路の路側帯に寄り添うように線路を敷いた併用軌道を区別するために使用していた隠語になる。
とにかく民家の玄関前を通る路側軌道に鉄道車輛の車格の電車が走っている光景には、見ていてワクワクしてしまう人は多いのではないだろうか。
では、熊本電鉄の路側軌道部分を、藤崎宮前駅側から眺めていくことにしよう。
旅客営業をしている鉄道線でこのようなシチュエーションの場所は、国内では他に江ノ電にあり、当サイト2016年5月3日アップの「江ノ電の路側軌道」(←その記事はココをクリック)で紹介しているので、併せて読んでいただけたらと思う。また、路面電車や工場専用線なども含めると路側軌道は全国にまだ見い出すことができる。
ちなみに、路側軌道ではないが、鉄道車輛の車格の電車が道路の真ん中を複線で走っている京阪大津線を2018年3月5日アップの「京津線電車が京都で併用軌道を走っていた昔日を慕べる区間」(←その記事はココをクリック)で紹介しているので、こちらも読んでいただけたらありがたい。
なお、路側軌道最寄りの藤崎宮前駅は、他の鉄道とは連絡していない地方私鉄のターミナルという、独特の雰囲気がある駅になってる。その写真の一部も、せっかくなので載せておこう。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。