鉄道旅を一層たのしくする車窓・施設案内シリーズです。
[場所] 近畿日本鉄道奈良線・京都線 大和西大寺駅
近鉄の大和西大寺駅の橋上駅舎における増床工事が2009年9月11日に完成して、駅構内のラッチ(改札)内にショッピングモール“タイムズプレイス西大寺”が開業したが、この奥の、駅の向きでいうところの難波・京都寄りに『展望デッキ』が設けられた。これにより、大和西大寺駅における電車の繁雑な発着の一端が上から眺められるようになっている。
ショッピングモール“タイムズプレイス西大寺”は各プラットホームから階段やエスカレータ・エレベータなどを上がった2階に位置している。
このモール内には、有名スーパーマーケット、惣菜店、洋・和菓子店などが入っているため、ジュース・お茶などの飲料と、おやつ・つまみなどを購入して、『展望デッキ』をイートインスペースのように使用することもできなくはない。ただしテーブルは設置されていないので、買い込み過ぎてしまうと、置き場所に困ってしまうので程々に。
なお、『展望デッキ』は構内の他の場所と同様に「禁煙」になっている点を一言添えておこう。
『展望デッキ』はオープンになっているとはいえ、日よけオーニングとガラス柵にガードされているため、ある程度の雨ならそれほど問題なく利用することができる。
筆者が訪れた時は雨天だったが、苦慮なく過ごすことができた。
このような施設があることは、旅行中の想定外の雨で行き場をなくした時の代替え場所として、4月18日アップの 京阪本線 樟葉駅前の「SANZEN HIROBA」(←その記事はここをクリック)と同様に助かるものだ。
ただし、利用規定によれば「悪天候時は閉鎖いたします。」とのことなので、暴風雨などの時に訪れて閉鎖されていたら、その場合には規定に従っていただけたらと思う。
なお、利用時間は9時30分~20時までとなっている。
では、この『展望デッキ』からは、どんな電車が眺められるのかを、以下で、左の5番線側から見ていくことにしよう。
ちなみに、6番線の難波方面への電車の発車は朝夕に数本あるのみのため、記者の滞在中にはなかったので、その写真はない。また、雨天時におけるガラス柵越しの撮影のため、写真がヨレヨレなのもお許し願いたい。
他所では、橋上駅舎のコンコースや線路に面した駅ビルに飲食店を設ける場合、平面図を見ると、まさにトレインビューの立地にあるなと見極められる場所なのに、なぜか内装設計者は線路側にわざわざ厨房を配置したり、線路側を目隠しにしたりと、せっかくの良い景観を魅せてくれないような残念な設計をした店舗が多々ある中、乗車券もしくは入場券などのラッチ内に入る手段をもってさえいれば、鉄道好きにとっての絶景が手軽に見られる場所を造ってくれた 近鉄さん の粋なはからいには感謝したい。そしてこの施設が先駆けとなり、他社にもどんどんできてくれることを願っている。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。
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