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[場所]JR信越本線 笠島駅
前回に『日本一海に近い駅JR信越本線 青海川駅』(←その記事はこちらをクリック)を紹介したが、この路線を通ったことがある方の中には、その直江津駅方の隣にある笠島駅から日本海方向を望むと、漁港の防波堤の先に海へ面して鳥居が4基立っている岩が目に留まり、それが何なのか気になっている人も多いのではないだろうか。
これは『弁天岩』といって、豊漁と海の安全を祈り、海難者の霊を鎮める信仰の岩で、鳥居の奥には祠が建立されている。
弁天岩は陸地と防波堤でつながっており、歩いて訪れることができる。
そしてこの防波堤を渡っていく時に西側直江津駅方向を望むと、入り江の向かいに断崖の岬が見えるが、これは『牛ヶ首層内褶曲』といって、約500万年前に形成された特殊な地層とのこと。当サイトは地層の専門ブログではないので詳しいことを知りたい方は下写真の説明板を読んでいただくとして、とにかく東洋一の規模を誇っているとのことだ。
牛ヶ首層内褶曲の地層を眺めるには岬の西側斜面の方が、岩肌がむき出しになっているのではっきり確認しやすい。この西側へは笹島駅前の道を右手に進み、坂を登ったらやや太い道路に出るのでそこを右折すると程なく着ける。
地層を道路から見下ろすロケーションになり、その岬の付け根付近の眼下には旧線跡に残るトンネルのレンガ積みの坑門が口を開けているのが見えるというのも嬉しい眺めだ。
笠島駅から新潟駅寄りに2つめの鯨波駅までの間は『中部北陸自然歩道・A10米山海岸 潮の音の道』として整備されており、歩いてゆくことができる。旧線跡などの鉄道遺構を眺められる道として楽しめそうだが、これからの冬のシーズンには辛いかも知れない。春の訪れを待ちたい。
信越本線笠島駅は、国鉄時代の1951年(昭和26年)に仮乗降場として設置され、翌年に駅に昇格している。
駅と弁天岩との位置関係を解っていただくために鉄道写真も載せておこう。ちなみに、この写真に弁天岩が写っていないが、左下の屋根がエンジ色の建物の左から防波堤が延びており、その先に弁天岩がある。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。