鉄道模型レンタルレイアウトって何だ？！

東京都墨田区本所にある鉄道模型レンタルレイアウト「Rail Garden」を訪ねてみました

鉄道模型のレンタルレイアウト「Rail Garden」さんを訪ねて

いつもと少し目先を変えて、鉄道模型のレンタルレイアウトを訪ねてみた。
鉄道模型のレンタルレイアウトといえば、大手鉄道模型店や専門の飲食店に併設されているというのが今までの定番だったが、最近はレイアウトの方をメインに据えているショップが増えている。

ちなみに、レンタルレイアウトというのは、エンドレスに敷かれた模型レールに、そのショップ独自のセンスによりストラクチャーやジオラマなりの情景を配した線路を、利用者が時間何円かで借りて、鉄道模型車輛をそこに持ち込んで運転を楽しむというモノ。たいがいは、普及率が高いNゲージのレンタルレイアウトが主流になっている。
ということで早速、都区内にあるレンタルレイアウトをメインに営業しているショップを訪ねてみた。
訪れたのは、都営地下鉄蔵前駅を下車したら隅田川を厩橋で渡り、その厩橋東詰から100m程の所にある“RailGarden”というお店。

都営地下鉄蔵前駅を出たら、隅田川を厩橋で渡った先に目的のレンタルレイアウトショップがある。写真は、その厩橋上からの下流方向の眺め。

建物の3階に上がりドアを開けると、広々としたスペースにNゲージ6線を擁する鉄道模型レイアウトが据えられており、この日はそこで6人のお客さんが模型車輛の運転を楽しんでいるという満席状態。

お店で楽しんでいる方にインタビュー

この日に集まっていたのは、東京都中央区日本橋掘留町にある鉄道居酒屋“キハ(0356515088)”の常連さんが作ったサークルである『キハ模型部』の面々とのことで、このようなレンタルレイアウトを利用する理由を、幹事である通称コバトン氏に訊いてみた。
「家にも組み立て式のレールやストラクチャーは山ほどあり、それを組んで車輛をシャーシャー走らせるのも楽しいけれど、やはり組む手間、分解する手間を考えると、レンタルレイアウトに来てしまいます。これは車輛を運ぶ手間を差し引いてもレンタルレイアウトに分がありますね。また、レンタルレイアウトなら見学者もいるため、知り合い以外にも新規の車輛を見てもらえるチャンスがあり、気合いも入ります。そして何より、その後の飲み会が楽しいのです。同じ趣味を持つ者同士という、仕事と関係なく付き合える仲間と会って語れる場があるというのは最高ですね。なので、月に1度くらい、仲間うちでこのような運転会を開いています。」
確かに、自分の模型車輛を山や川、都会といった情景の中で走らせたいが、組んだり片付けたりするのが大変というのは解る気がする。そして、仲間とあれこれ語りながら過ごす時間。ある意味、大人の社交場とでも言えるのではないだろうか。

左がレンタルレイアウトの線路配線図。新幹線・高速鉄道タイプ、私鉄・ローカル線タイプ、在来線タイプと、持ち込み車輛の傾向によりタイプが選べる。料金表は2015年6月時点のモノ。

入口側からレンタルレイアウトを眺めた全景。こちら側は建物のストラクチャーが並んだ都会の光景が広がる。スカイツリーが立っているあたりは墨田区のショップらしい。

上写真の反対側から眺めたレンタルレイアウト。山や川がある自然の風景になっている。

これが運転席。パワーパックも備えられているので、自身の車輛を持ち込むだけで、運転することができる。

レンタルレイアウトとは別に、店内に飾られていたエンドレスのレイアウト。オーナーのジオラマ制作の腕の確かさが窺える。

最近、レンタルレイアウトは各地に増えつつあるとのことなので、あなたの町にもあるかも知れない。興味が湧いたら探してみてはいかがだろうか。

[取材協力]
NゲージレンタルレイアウトRailGarden
東京都墨田区本所1-18-2 大岩ビル3F
03-6240-4496
www.rail-garden.com

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。