釧網線オホーツク海沿岸区間を走る流氷物語号キハ40で運転

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[場所]JR釧網本線 網走-知床斜里
JR北海道 釧網本線の 桂台(網走市)-知床斜里 間はオホーツク海沿岸を通っていることは、当サイトの読者ならご存知と思う。この区間から見えるオホーツク海は厳冬季の1月後半頃~3月半ば頃までは流氷が押し寄せる光景が展開する(風向きにより見えない場合もあります)。
さて、この区間を含む 網走-知床斜里 間には2017年冬期から観光列車「流氷物語号」が走り始めている。2021年から「流氷物語号」はキハ40形改造の流氷の恵み+森の恵みによって運行するようになり、気動車好き注目の列車になったが、2025年も冬期間に、キハ40形気動車により運行される。

網走方に連結されているキハ40-1720「流氷の恵み」編成。知床斜里にて。写真:前田貴広
同氏note:https://note.com/maeda_takahiro_
知床斜里方に連結されているキハ40-1779「森の恵み」編成。網走にて。写真:前田貴広
運転日は2025年2月1日(土)~2月28日(金)の期間毎日、3月1日(土)・3月2日(日)・3月8日(土)・3月9日(日)で、1日2往復する。運転時刻は、
1号 網走駅09:50発→北浜駅10:04着~10:14発→浜小清水駅10:24発→知床斜里駅10:42着
3号 網走駅12:42発→北浜駅12:57着~13:07発→浜小清水駅13:19発→知床斜里駅13:38着
2号 知床斜里駅11:32発→浜小清水駅11:49着~12:09発→北浜駅12:19発→網走駅12:32着
4号 知床斜里駅14:03発→浜小清水駅14:20着~14:40発→北浜駅14:50発→網走駅15:03着
※運転日・時刻は予告なく変更される場合があります。
知床斜里行は北浜駅で10分、網走行は浜小清水駅で20分停車するのがキーポイントで、両駅ともに展望台があるので、オホーツク海が俯瞰で眺められる。

北浜駅の展望台からはオホーツク海の大海原を彼方まで見渡すことができる。気動車は「流氷の恵み」編成。なおタイトルも同じ時の撮影で、気動車は「森の恵み」編成。写真ともに:前田貴広
上の写真は北浜駅の展望台から撮った「流氷物語号」で、この展望台上からはオホーツク海の大海原から知床連山までを眺めることができる(天候により見えない場合があります)。

北浜駅の展望台は約5mの高さがある。
「流氷物語号」は山側は全席自由席だが、海側は一部が指定席になっていて乗車券+指定席券840円(片道)が必要な席があることを申し添えておく。指定席券は、全国のJRの主な駅(みどりの窓口)、またはインターネット予約サービスの「えきねっと」でも購入できる。

流氷物語号の4年前のサボ。写真:前田貴広
流氷物語号の4年前の愛称板。写真:前田貴広
「流氷物語号」の車内では流氷物語号のグッズも販売されている。一昨年は何と流氷物語号のサボや愛称板が売られていた。

4年前のお土産。ことしは何が出てくるか、お楽しみ。写真:前田貴広
2025年冬期の運行では、どのようなお土産が売られるのか、気になるトコロではある。
「流氷物語号」の詳細は下記URLにて。
https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/ryuhyo/

JR北海道のキハ40形気動車は、2025年3月15日のJRダイヤ改正により定期運用から退くニュースがメディアなどにて発表(釧網本線ではキハ40形はすでに定期運用からは退き済)されているが、流氷物語号は上の「お知らせ」を見る限りではキハ40形森の恵み号+流氷の恵み号にて運転されるようなので一安心である。
なお、流氷は風向きなど気象条件によっては沖合の方へ流されていってしまう場合もあるので、流氷の動向が知りたい方には下記の第一管区海上保安本部の期間限定サイトをお勧めしておく。
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/drift_ice/ice_chart/latest_icechart_jp.html

※昨年の同テーマ記事の訂正:2024年1月15日アップの同テーマの記事内において下の写真を掲載いたしましたが、この看板は2024年時点では撤去されていました。

かつては、網走駅前の電話ボックス脇に掲げられていた網走・オホーツク水族館による「流氷の天使、クリオネ」の解説。
なぜなら、網走・オホーツク水族館は2002年に閉館しており、すでに存在していないので、撤去はこのことに起因しているかも知れません。そして閉館していることを、その記事内に記していませんでした点には、お詫びをいたします。クリオネ展示に関しては、網走駅南南西2kmほどに位置するオホーツク流氷館にて見ることができます。

■釧網線 北浜-知床斜里 開通百年
現・釧網線 北浜-知床斜里 間は1925年(大正14年)11月10日に「網走本線」として開通した区間で、本年2025年11月10日に同区間開業百年を迎える。

知床斜里駅に停車する列車内から眺めた網走方の線路。コチラ側が開業百年。
ちなみに、昨年2024年は 網走-北浜 間開業百年だったけれども、特に目立った行事は催されなかったので…(以下略)。

JR北海道キハ40形気動車が2025年3月15日のJRグループ・ダイヤ改正で定期運用から退く

すでに各方面のメディアにより報じられていて、当記事でも冒頭で記したが、JR北海道のキハ40形気動車が2025年3月15日のJRグループのダイヤ改正で定期運行から退く。

函館本線 新函館北斗駅に停車するJR北海道標準色キハ40形1700番台1801など2連。
とはいえ、あくまで定期運用に就かなくなるだけで、全廃ではない点がキーワードになろう。
特に「北海道の恵み号」シリーズなどの観光列車タイプの車輛は去就が注目される。
なので、キハ40形気動車によって運行される「流氷物語号」としてのスタイルは、この冬がラストシーズンにならないことを願いたい。
まぁ185系のように2021年に定期運用から退いたけれども、2025年現在いまなお現役という車輛もいるという例もあるので、観光列車タイプの車輛あたりは…(以下略)。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。