ホテル三日月「三日月竜宮城駅」の保存車輛を紹介

保存車は鉄道車輌1両、バス車輌2両。そして待合室…!?

千葉県木更津市 龍宮城スパ・ホテル三日月龍宮亭

千葉県木更津市の海岸沿いに建つ、東京湾を一望できるベイサイド・リゾートの 龍宮城スパ・ホテル三日月 龍宮亭 に、宿泊して楽しむトレイン&バス(車輛の方ね)ルーム計5室と三日月竜宮城駅が、2024年7月12日(金)にオープンした記事は2024年7月5日にアップしたけれども、紙幅の関係から先送りになっていた「三日月龍宮城駅」の保存車輌たちをココで紹介していこう。

2024年7月12日にオープンした三日月竜宮城駅の車輌たち。左から、いすみ200’型いすみ206。いすゞエルガミオKK-LR233J1改、日野ブルーリボンKC-HU2MLCA。背後の建物は龍宮亭。
三日月竜宮城駅オープニング記念セレモニーにおけるテープカットのシーン。壇上左から、いすみ鉄道代表取締役社長 古竹孝一氏、木更津市長 渡辺芳邦氏、ホテル三日月グループ代表 小髙芳宗氏、衆議院議員 浜田靖一氏、小湊鐵道代表取締役社長 石川晋平氏、銚子電気鉄道取締役社長 竹本勝紀氏。左に写っている女子2人はMCのC-Style。右後ろの三角屋根のプレートをとりあえず覚えておいていただきたい。

鉄道車輌

■いすみ鉄道いすみ200’型いすみ206

南東方からの眺め。駅名標は左が「日光きぬ川」、右が「ダナン」。ダナンはベトナムのリゾート地だが、ナゼここに記されているのかは秘密にしておく(笑)。
いすみ200’型いすみ206は、富士重工業製1988年製造のLE-CarIIの一両。製造時はいすみ100型いすみ106を名乗っていたが、改造により1992年にいすみ200型いすみ206となり、さらに床を張り替えていすみ200’型いすみ206となって、2018年頃まで運用されていた。その後いすみ鉄道 国吉駅 に永らく留置されていたが、2024年に廃車となり、2024年7月に「三日月龍宮城駅」にやってきた。
三日月龍宮城駅で、車輌は東西の向きに設置されている。
ではまず手前(東)方から眺めていこう。

北東方からの眺め。手前の線路は、糸魚川ヨロシク整備などの時に車輌を引っ張り出すためのモノだろうか?
北東方からの3:7の構図。
検査標記はコチラ北東方に記されていた。
この位置に検査標記があるということは、コチラ(東)側がいすみ鉄道時代の大原方ということになろう。
続いて、奥(西)方を見てみよう。

北西方からの眺め。
南西方からの眺め。
上と同じ向きから見た足回り。
次は車内を拝見。

車内で奥が東方。
車内で奥が西方。
車内は「キッズガーデン」(後述)風の内装やインテリアを揃えた、お子様向けプレイルームとなっている。
さて、このいすみ206だが、運転席回りの機器はすでに撤去されている。そして、そのうちのワンセットはドコへ行ったのか? ある程度の想像はできるが、ココでは語らないコトにしておこう(笑)。

バス車輌

左がいすゞエルガミオ。右が日野ブルーリボン。バス車輌は南北の向きに設置されている。
バスは小湊鐵道バスの車輌2両が展示されている。では東側(タイトルや上写真での左)のバス車輌から眺めていこう。

■いすゞエルガミオ

北西方からの眺め。
いすゞエルガミオの型式はKK-LR233J1改で、1992年式。主な所属は塩田営業所。

南西方からの眺め。
南東方からの眺め。
北東方からの眺め。
あくまでオープニングの2024年7月12日時点の状況になるが、車内にはシート類はもちろん、運転席回りもほぼ現役時代のままで展示されていた。

エルガミオの車内は、まだまだ現役時代の雰囲気が残っている。
運転席回り。これから調整するモノと思われるが、機器をドコまでイジれて、行先表示などドコまで動かせるようになるのか? 楽しみではある。
後席側。オープン日時点ではほぼノーマル。
なので、こちらエルガミオの方は、いまだったら、お子様なら運転士気分で路線バスごっこなどをそれなりに楽しめそうだし、そして大人も機器の扱い方を覚えたり(汗)再確認したりするのに最適だろう。※車内の状況は、あくまでアップ日時点の情報です。

■日野ブルーリボン

北西方からの眺め。
日野ブルーリボンの型式はKC-HU2MLCAで、1998年式。長南営業所。
新造したのは横浜市営バスだったが、次いでHMC東京へ移籍、その後に小湊バスが同社路線を引き継いだ時に小湊バスに移籍してきた車輌とのこと。

南西方からの眺め。
南東方からの眺め。
北東方からの眺め。
車内は運転席もシートも撤去され、道路風の内装が施されていた。

日野ブルーリボンの運転席側。
日野ブルーリボンのリア側。
オープニング日の時点では、車内の内装はまだ仕上げまで行っていなかったモノと思われる。この先、どのような調度品が置かれるのか、コチラもそれなりに楽しみである。
ところで運転席回りだが、何処へ行ったのか? ほぼ想像はできるが、この謎を深く追求してはいけない(笑)。

三日月龍宮城駅に待合室があった!?

巻頭のテープカットの写真右のプレートには、実は「りゅうぐうじょうえき まちあいしつ」と書いてある。
オープニングの日にはまだ開放されていなかったが、このテープカット会場の裏は待合室のスペースとして「キッズガーデン」(後述)風の内装が施され、プラレールなどで遊べるお子様向けのプレイルームになっている。

「三日月龍宮城駅 待合室」のプラレール タワー。写真奥がプラレールで遊べるスペース。
プラレール タワーの部分アップ。ちなみに、このタワーは展示物なので、扱いに注意が必要だ。
なお、上写真のプラレールタワーはあくまでも展示物で、プラレールなどで遊べるスペースは同じ待合室内に別に用意されている。

「三日月龍宮城駅 待合室」の奥(西)側には、プラレールで遊べるスペースがちゃんと確保されているのでご安心を…。
奥(西)側のプレイスペースは土足厳禁で、プラレールがバラで入った収納ボックスが常備されていて、プラレール遊びが常識の範囲内でできるようになっている。

「キッズガーデン」とは!?

本記事内で「キッズガーデン」なる言葉が2度ほど出てきたが、この施設は龍宮城スパ・ホテル三日月の敷地北側に建つ「お祭りランド」内に設置されたお子様プレイルーム(部屋には入場料がかかります)の名称で、内装がまさにいすみ206車内や三日月竜宮城駅 待合室内と同様の素材で造作されている部屋もある。

画面左。日野ブルーリボンの先に見える建物が「お祭りランド」。なお、写真のような降雨時に各館の間を行き来する場合には龍宮城スパ・ホテル三日月オリジナルの傘を貸してくれる。
このスペースがある「お祭りランド」だが、建物内に開設されているのはキッズガーデンだけではない。おみやげ処とお食事処や、さらにゲームセンターなども設置されている。そして嬉しいことに、宿泊者や日帰り入浴利用者以外でも入場利用することができる。なので、三日月龍宮城駅を見学したあとに食事をして、千葉県のお土産を買って帰る…という観光旅行っぽいこと(笑)もできる。
お祭りランド売店の営業時間は9:00~21:00になる。だが、食事処の店舗は11:30開店が多かったり、遅くとも20時(L/O19:30)には閉まったり…なので注意が必要だ。
ちなみにココからの内容は、筆者が2024年7月12日に「三日月龍宮城駅オープニング記念セレモニー」にプレスで参加した後、午後に「お祭りランド」で時間をツブそうと中へ入ろうとした時に解った入場のしきたりになる。
ナゼこのようなことを記すのか? それは、「お祭りランド」はまず玄関を入ると、目前のゲートになんと駅の改札機みたいな入出場口が設置されているのだけれども、コレを見て「ココお祭りランドは、もしや龍宮城スパ・ホテル三日月の宿泊者or日帰り入浴利用者しか入れないトコロなのか?」と勝手に思いこみ、入場を諦め、帰ってしまう方がいるのではないか? と、思ったからになる。コレには実は一つ違えば筆者がそうなっていたから気づいたのだが、自身の場合、着いた後に早速プレス担当者へ連絡し問い合わせてしまったので、しきたりが解り入場できた。
その「入場のしきたり」…と言うか担当者の説明は「発券ボタンを押して、出てきたバーコードの紙をバーコード読み取り機に翳せば通れますよ」との返事から、さらには「その紙を無くすと出られなくなりますよ…」とのアドバイスまでいただけた。ということでその通りに実践して、無事に「お祭りランド」へ入れたという話。
まぁ「お祭りランド」は宿泊者や日帰り入浴利用者以外でも入場利用できますよー…ってことをお伝えしたかったわけ。つまらないエピソードでした(汗)。
コレにて記事を〆ます。御あとが宜しいようで…。

お祭りランドHP
https://www.mikazuki.co.jp/ryugu/omatsuri/

龍宮亭トレイン・バスルームHP
https://www.mikazuki.co.jp/ryugu/topics/testudouroom/

龍宮城スパ・ホテル三日月HP
https://www.mikazuki.co.jp/ryugu/

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。


[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。