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[場所]JR紀勢本線(きのくに線) 稲原-印南
上記の[場所]が「稲原-印南」となっているけれども、実は印南駅北方直近約100m地点に位置していることを、まず申し述べておく。
さて、印南駅直近に架かる跨線道路橋はナゼかカエルのデザインになっているということをかなり以前に知ったのだが、先日に和歌山へ行く機会があったので、チョット足を伸ばして眺めてきた。
JR紀勢本線(きのくに線)というと、あくまで筆者の感想になるが、海南駅からはかつて野上電鉄が出ていたり、藤並駅からはかつて有田鉄道が出ていて、その終着駅の金谷口駅跡付近には鉄道交流館があったり、そして御坊駅からは現役ローカル私鉄の紀州鉄道が出ていたりと、北西側は鉄道好きにとってそれなりに楽しめる場所になっているし、南側は紀伊田辺や白浜まで行けば一大リゾート地があって一般的に人気の観光地になっている。
かえる橋の最寄は印南駅
かえる橋の最寄り、印南駅はそのような紀勢本線の北西側と南側の中間にある。
和歌山駅側からの列車は、印南駅へは駅本屋とは対向ホームの2or3番線に発着する。同駅で電車を下車すると駅の北側スグに「かえる橋」が聳えているのが見える。
2or3番線ホームからは跨線橋で駅本屋側へと渡る構造なのだが、この跨線橋上からは、なお良く「かえる橋」が眺められる。
ところで、タイトルには3番線を走る283系特急「くろしお」が登場しているが、当然この写真は印南駅を通過しているシーンなことは、賢明な読者の方ならお解りだろう(笑)。
■印南駅待合室ではカエルがお出迎え
印南駅の改札口は海(西)方の1番線側一箇所のみなので、どちら方からの列車についても待合室前を必ず通って出入することになる。
この待合室をカエルの置物が占拠している。
と、こぉ書くと詩情的ではないので、印南駅を下車すると待合室ではたくさんのカエルたちがお出迎えしてくれる…と記しておこうか。
待合室の南面小壁部分には「かえる橋」の写真が多数、掲出されたりしていて、印南町の同橋への思い入れが伝わってくる。
それでは待合室のカエルたちに別れを告げて「かえる橋」へと向かうこととしよう。
■かえる橋の欄干にはオブジェ多数
かえる橋は印南駅から間近に眺められるので、道順はあえて書かなくても、辿りつけるであろう。
そして「かえる橋」に辿り着く。
橋南側欄干の親柱は石碑になっていて橋名が刻まれているのだが、コレが「かえる大橋」と記されている(汗)。
「かえる橋」なのか「かえる大橋」なのか、タイトルなどで何方にするか悩んだが印南町の冊子(後述)において「かえる橋」と記述されていたので、コチラを採用させていただいた。
「かえる橋」は、実際に同橋を訪れると橋北側の欄干にはオブジェやモニュメントが並んでいるのが判る。
外観を眺めるのはネタとして面白いが、コレらオブジェ類を見ていくのも良いのでは…と思い、それらの写真も撮ってきたので、ここに紹介させていただいた。
オブジェは実際は5個なのだが、4点しか掲載していないのは、撮り忘れたからに他ならない(汗)。
おそらく型は同じと思われる。
橋の道路対面には歩道がないためか、その南側欄干にあるモニュメントは両端親柱の「かえる大橋」の碑のみになる。
せっかくなので「かえる橋」から南向きに眺めた印南駅の写真も載せておこう。
「かえる橋」の外観北面をじっくり撮った写真がなかったので、帰路に電車内から撮った写真にて代えさせていただきたい。
ところで、「かえる橋」の先には何があるのか、気になった方もいるのではないだろうか? あるのは「印南町役場」と「防災福祉センター」など。
将来に予想されている南海トラフ地震への対策として、海に近い町の避難先として、この高台への直結ルートを確保したことはベストな選択に思う。
「かえる橋」は平成元年(1989年)頃に地域振興のために交付された「ふるさと創生事業」がきっかけになり建設された跨線橋で、1995年3月に完成、同年5月に渡り初め式が実施された。
その他「かえる橋」の詳細は項末のURLにて。
■印南駅のモニターにも「かえる橋」
印南駅へ戻ると、列車位置情報のモニターの画像が「かえる橋」なことに気がついた。
このような点からも「かえる橋」が地元に愛されていることが伝わってくる。
和歌山県印南町発行のかえる橋パンフレット「恋して いなみの かえる橋」
https://www.town.wakayama-inami.lg.jp/cmsfiles/contents/0000000/493/kaerubook.pdf
印南駅前の案内板
印南駅前広場には、熊野道などを紹介した案内板が3枚ほど3連で立っている。
それらの写真紹介にて記事を〆よう。
上の叶王子は印南駅が最寄りだが、斑鳩王子は 印南-切目 間に立地。中山王子と切目王子の最寄りは切目駅になる。
なお、王子の二次元キャラクターのイラストが現地で掲出されているのは…あくまでグーグルマップで調べただけの結果だが…叶王子の津井王子跡と斑鳩王子の冨王子神社のみになる。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。