静岡ホビーショー第61回…KATO篇

Nゲージ車輛〜ジオラマ素材と幅広く模型趣味を応援するメーカー

[場所]ツインメッセ静岡

静岡県といえば「模型の世界首都」を名乗っている。その静岡市にあるツインメッセ静岡において「第61回 静岡ホビーショー」が2023年5月10日~14日の5日間(一般公開日は13日・14日のみ)に、静岡模型教材協同組合の主催で開催された。
このことは、2023年5月15日&20日アップ「静岡ホビーショー第61回…鉄道系展示巡覧=前篇後篇」で報じているけれども、その記事の中で「出展メーカー名の末尾に『♥』が付いているブースに関しては、いずれ単独にて、不定期ながら紹介予定…」と予告してあったが、その流れでのブース展示品の中から、この度は「カトー」のブースを紹介していこう。
なお、出展社名は「カトー」となっていたが、本記事では以後ブランド名の「KATO」と表記させていただくことを申し添えておく。

模型車輛

静岡ホビーショー第61回の開催が2023年5月中旬と、車輛に関しての製品情報となるとやや過古ネタになるが、最初は展示車輛から眺めていくことにする。

■Nゲージ
まずは雛壇に並んでいた編成モノを紹介していこう。

雛壇上から、EF66形EL0番台後期形、24系/14系寝台特急、475系、455系、115系300番台、クモハ52(2次車)飯田線、キユニ28首都圏色、キハ58系、113系1000番台、E353系の向こうのE127系100番台の姿も目に焼き付けておいていただきたい。
雛壇以外手前から、東武鉄道50050型、883系リニューアル車(AO-3編成)、581系、新幹線500系。
雛壇以外手前から、UR19Aコンテナ、タキ1000後期形、東急電鉄5050系4000番台Qシート組み込み編成、新幹線500系、E353系、そしてE127系100番台は心の目で見ていただきたい(笑)。
アップ日時点では製品化されてるけれど、ショー当日には発売前なので何か車体色が違うナ〜って車輛がいる点は気にしてはいけない(汗)。
鉄道模型ではないが、同じ展示台に「パトレイバー」も並んでいたので、それもお見せておこう。

T-TRAKの中に立つパトレイバー。スケール1/150だからこそ出きる技と言えよう。
スケールが1/150というトコロが如何にもKATOらしい。
雛壇の対面に展示されていたのが2023年8月発売予定品の「EF55高崎運転所」と「高崎運転所旧形客車」。

EF55と高崎運転所旧形客車。EF55の台はターンテーブルになって常時回っている。
EF55の1エンド側。
EF55の2エンド側。
「高崎運転所旧形客車」はEF55の他、D51 498などに牽かせても良さそうだ。
その隣に並んでいたのがアメリカの「ユニオン・パシフィック鉄道ビッグボーイ」と仲間たち。

手前から右に、ビッグボーイ、給水車×2、電源車-乗務員寝台車-UP移動資料館-ドーム付客車、座席客車-ドーム付食堂車-ビジネスカー、EMD SD70MフラットラジエーターUP。
上の外国形を挟んだ先に展示されていたのが「211系5000番台」の試作品。

211系フルリニューアル第2弾。
さらに隣奥に並んでいたのが「スターターセット」のいわゆる短縮編成。

スターターセット。左から、アルプスの氷河特急、新幹線E5系、新幹線E6系、新幹線E7系、西武鉄道40000系、E233系3000番台、E259系。
当然のことながら増結セットを別途購入すれば現実的な編成にすることができる。

■16番スケールHOゲージ
HOゲージ「24系<夢空間>」がNゲージ車輛が居並ぶ展示スペースのド真ん中に置かれていた。

夢空間で、手前はオシ25 901。
夢空間、左オロネ25 901、中オハフ25 901。
当サイトの読者の皆さんならご存知の通り、コレだけでは編成として成り立たないので、もしや…と思い調べてみたら「EF81 81北斗星色」も発売する運びとなったようだ。
既発売の「24系寝台特急北斗星」と組んで夢空間連結編成が実現できるネ。
KATO夢空間スペシャルサイトのURL、
https://www.kato-start.com/yumekukan

■HOナロー
KATOでは英国PECOのスケール1/76・軌間9mmのOO-9ナローと、ドイツMinitrainsの鉄道模型も輸入している。見出しではこれらを総して「HOナロー」と一括りにさせていただいた。

走行しているのはPECOスモールイングランド<プリンス緑>&ミニトレインズ宮殿庭園鉄道客車、左上はミニトレインズ宮殿庭園鉄道蒸機GREIF。タイトル写真と同じレイアウトで、その右側からの撮影。
左のDL群と客車はミニトレインズ製品。右の赤い蒸機にプライスカードがないがPECOスモールイングランド<プリンセス赤>。
蒸機はPECOスモールイングランド<プリンス赤>。
来年あたりは、このゲージのシリーズに元・西武山口線の車輛とかが加わるのだろうか?

実演

ホビーショーなので数々の実演を行なっていたが、その中から2つを紹介していこう。

■サウンドカード
模型車輛の動きにシンクロしてサウンドを楽しめる装置。

列車は北斗星だが、この展示の見どころは手前のKATO SOUNDBOX。
右がKATO SOUNDBOXで、奥がサウンドカード。列車は赤ホキを牽くD51。
実のトコロ、説明を受けても筆者には仕組みがよく判らなかった(笑)ので、詳細は下記「SOUND BOX」のURLにて、
https://www.kato-start.com/soundbox

■Glue’n’Glaze
日本語で言うと「グルー&グレイス」。いわゆる水溶性接着剤で、固まると透明になるためクリアパーツの接着に最適な接着剤とのこと。
しかし、そのくらいの接着剤で何の実演をしていたかというと…。

グレー枠の中は穴が空いている。
グルー&グレイスを裏から注入。
とりあえず白いが1日ほどで透明になるらしい。
なんと狭い空間のガラス窓が再現できるらしい。幸いにもこの実演に丁度よく遭遇したのも縁と言えようか。

左の赤キャップのがグルー&グレイス。そして英国デラックス・マテリアル社の製品群。
英国デラックス・マテリアル社の製品をKATOが輸入していることが判ったのは一つの収穫であった。

ジオラマ材料

最近では情景模型が、Nゲージレイアウトやモジュールなとの鉄モノ以外でも世間を賑わしているが、それに使う、地形・樹木&草原・水景の素材の購入し易さといったら国産ではKATOが最上位なのではなかろうか。
そんなわけで、KATOブースではこの度も前回同様にジオラマ材料が展示してあった。

ジオラマ材料はKATOブースの実演展示わきにネットラックで多数を展示していた。
この辺は前回にかなり詳しく紹介しているので、ココではその中から主だった素材を掲載していこう。

最近ではジオラマに季節感を表現することが流行っているようで、そのための素材も発売されている。
四季を演出する素材。
テレインとランドスケープとウォーターの素材。
ジオラマ材料のブースでも何かの「実演」があったようだが、筆者は残念ながら遭遇できなかった。

実演展示のスペース。水面とか雪とかをヤッていたと想像できる。
上写真奥のジオラマのアップ。棒が立っているのとプランツの散り具合から、樹木制作の実演をしていたモノと思われる。

株式会社カトー
https://www.katomodels.com

■作品展示&鉄道模型コンテスト2023のお知らせ
ミニジオラマベースとかモジュールの完成作品も展示されていたので、その写真も載せてしまおう。

ミニジオラマベースの作品たちで、それらを交互に繋いだ見本。そして背景には「鉄道模型コンテスト2023」のご案内。蒸機はPECOスモールイングランド<プリンセス緑>。
なんとこのミニジオラマベースやT-TRAKとかを一同に集めた鉄道模型コンテスト2023が東京都新宿区の新宿住友ビル三角広場で2023年8月4日(金)~6日(日)の3日間に、福岡県福岡市中央区天神のエルガーラホールで8月12日(土)〜13日(日)の2日間に開催される。というか東京の方はアップ日にはすでに開催されている(汗)。
入場チケットはまだまだ買えるので、ジオラマ好きや情景模型が気になった方は、ぜひ足を運んでみたらいかがだろうか。
入場料:大人(中学生以上)1,000円
詳細は下記 URLにて。
https://www.moraco.jp

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。