鉄道が主役の旅スタイルを応援する見どころ案内
[場所]JR宗谷本線 士別駅前北北東約300m士別軌道本社
北海道上川総合振興局管内の士別市にあるバス会社「士別軌道」が保有している、いまや全国的に貴重となった現役のモノコックバス『日野K-RC301-P 1982年式』が、2023年シーズンは路線バスとしての運行を、4月22日(土)から開始〜10月22日(日)までの期間で運行する。
このモノコックバスは元々、隣町の和寒町所有の自家用バスだったが、1998年に士別軌道にやってきて、ワンマン機器などを搭載して路線バス仕様になり車番『82009』となった。ある意味、動態保存車といえる貴重なバス車輛だ。
キャッチコピーが「鉄道が主役の旅スタイル…」になっている点は、鉄道駅から歩いていける範囲の話題ということでお許し願いたい。
写真は、都合により2016年6月撮影な点もご理解いただきたい。
運行便2023シーズンは2路線に運行する。運行期間と運行路線、料金は下記の通り。
土・日・祝 温根別スクール線
●運行期間
2023年4月22日(土)~10月22日(日)のうちの土・日・祝。
※9月2日〜10日の土・日はモノコックバスは運行いたしません。
●運行時刻
士別12:00発→南12線12:35着/南12線12:40発→士別13:15着。
●料金
往復券1,660円(税込)/片道券830円(税込)。
※士別軌道本社から乗降できます。本社窓口で「専用の乗車券」をお買い求めください。
平日(月・火・水・木・金)川南大和デマンド線
●運行期間
2023年4月24日(月)〜10月20日(金)の平日。
※9月1日〜12日はモノコックバスは運行いたしません。
●運行時刻
士別9:30発→大和10:25着/大和10:25発→士別11:25着。
●料金
往復券1,860円/片道券930円。
※士別軌道本社から乗降できます。本社窓口で「専用の乗車券」をお買い求めください。
★予約がないと運行いたしません。乗車前日15時までの、電話による予約が必要です。
電話番号など詳細は下記URL参照。
www.s-kido.jp/monokokku/oshirase.pdf
モノコックバス運行カレンダー
士別軌道のモノコックバスの運行日および運行路線は下記URL参照。
www.s-kido.jp/monokokku/calender.pdf
士別軌道(北海道)の『日野K-RC301-P 1982年式』とは…
日野RC301は、1968年に登場したRC系の中で、RC300がエンジン出力をアップして1977年に登場したマイナーチェンジモデル。日野のモノコック車体の大型バスとしては最後の車種のひとつで、1982年に登場したスケルトン車体のHU/HT系と並行して製造されていたが、1984年に製造を終了した。
では、このバスの外観を眺めていこう。
この保存車両の型式名“K-RC301-P”の頭に付いている「K-」は、1979年の排ガス規制適合車になった1980年に加えられた文字で、「-P」はエアサス車を指している。
では、車内や銘板を見ていくことにしよう。
なお、車庫内で写真を撮るにあたっては、士別軌道さんの許可を得て撮影している。
運行会社の士別軌道について
このバスを運行しているバス会社の『士別軌道』という社名の「軌道」という字にも興味を抱いた方がいるかと思う。
士別軌道は1919年(大正8年)設立の軽便鉄道会社だが、1959年(昭和34年)に軌道線全線を廃止して、バス・トラック会社になり、1988年には貨物運送事業を廃止して、現在の会社形態になっている。バス会社になっても創業時の社名を使用しているところにはコダワリを感じる。
士別軌道本社は、JR宗谷本線 士別駅の北北東300mほどの場所にあることを申し添えておく。
士別軌道株式会社URL
www.s-kido.jp
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。