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電車の車窓から見える古墳を訪ねてみた
[場所]JR東海道本線(JR京都線) 長岡京-山崎
JR東海道本線(JR京都線)の下り列車に乗って 長岡京-山崎 間の京都方から見て車窓左(東)側を眺めていると、古墳らしき丘が一瞬目撃できる。
この丘はホントーに古墳で、それも何と前方後円墳…。その名を「恵解山古墳」(いげのやまこふん)という。
そのような訳で、気になるその古墳を訪ねてみた。
JR京都線 長岡京-山崎 の車窓東側に見える墳丘が恵解山古墳。手前に写っている線路は下り列車線。埋葬されているのが誰かというのは、説明板によっても「5世紀後半に桂川右岸の乙訓地域全域を治めていた支配者…」くらいにしか記されていないのと、ましてや筆者は歴史の専門家でもないので、詳しい「恵解山古墳」の概要は記事内の説明板写真の解説を読んでいただくとして、ココでは散歩気分で訪ねた紀行ルポ程度の感覚で読んでいただけると有りがたい。
北西側の跨線橋から線路と古墳の位置関係を眺める
早速に恵解山古墳へと入りたいトコロだが、当サイトは一応(笑)鉄道系なので、まずは古墳の後円部(北西)側付近を通る東海道本線に架かる跨線橋の「老ケ辻歩道橋」上からの眺めにより、線路と古墳の位置関係を見ていこう。
老ケ辻歩道橋の桁上東側からの南向きの眺めで、左にチョット見えているのが恵解山古墳。列車は上り電車線を走る207系。
上写真の地点から左に目を移すと恵解山古墳が見える。老ケ辻歩道橋の桁部分上には「恵解山古墳」の説明板と、さらに「天王山と山崎合戦」の説明板も掲げられていたので、その写真も載せておこう。
老ケ辻歩道橋の桁上東端に掲げられているプレート類。
左側には「長岡京市のみどころ」の説明もある。
右側は「天王山と山崎合戦」の説明板。筆者が取材(散歩!?)中に運良くTWILIGHTEXPRESS瑞風が通ったので、その写真も載せておこう。
JR京都線にはトワイライトエクスプレス瑞風もやってくる。
いよいよ恵解山古墳の敷地内へ
恵解山古墳周辺の敷地は「恵解山古墳公園」として整備されていて、地域の憩いの場になっている。この公園への出入口は後円部(北)側と前方部(南)側と西側に各1の3箇所ある。
恵解山古墳北西側にある老ケ辻歩道橋をまず訪ねたため、記事の流れから、恵解山古墳を後円部側から時計回りに墳丘を眺めていくこととする。
恵解山古墳の北西の後円側。
恵解山古墳公園の北側出入口に掲げられている利用案内。右上の地図は上が北なので、コレにより墳丘の大体の向きが解るだろう。■後円部から東側を回って前方部へ
後円部は上が墓地になっているため「関係者以外立入禁止」になっているので、公園敷地の平地と墳丘の間に敷設された歩道、いわゆる墳丘の下のフチを歩いていくことになる。
では東側を前方部へと半周していこう。
後円部の上は「関係者以外立入禁止」。
南東の前方端側から北向きに眺めた東造り出し部分。この東側の歩道脇のトコロドコロには古墳に関わる解説を記した説明板が立っている。
東造り出しの説明プレート。
墳丘東側の後円部と前方部の境目。
その境目に立つ埴輪列の説明板。■前方部側は広場になっている
前方部(南)側にも出入口あることは上述したが、こちらには「恵解山古墳の概要」を解説した看板が立っているので、まずはこの地点から回るのが古墳について解りやすい順路なのかも知れない。
恵解山古墳前方の南南東側。
恵解山古墳公園の南側出入口に立っている史跡恵解山古墳の概要の説明板。見出しでは「広場」と記したが、実際には芝生の更地が広がっているスペースがあり、そこに恵解山古墳の模型と「乙訓の古墳群」の位置を記した立体地勢図が屋外展示されている平地になる。
恵解山古墳公園の南側広場内に設置されている恵解山古墳模型の南西側。
古墳模型の北東側。
古墳の形状と特徴の説明プレート。
恵解山古墳公園の南側広場内に設置されている乙訓の古墳群の位置を示した立体地勢図の南東側。
立体地勢図の北西側。
乙訓の古墳群の説明プレート。前方部は墳丘上に登ることができる。そのための階段が南側と西側に設置されている。
上写真の階段下に掲げられている説明板。上々写真を見てもらえたら解ると思うが、墳丘斜面は3段構造になっている。
この段の縁は円筒埴輪列で装飾されている。
上々写真の階段の途中から眺めた南西方。上写真は、このうち2段めの円筒埴輪列を南側の階段の途中から眺めたトコロ。
見学の順番が前後するが、下写真がその写真を撮った階段を2段めから見上げたトコロになる。
その階段の2段目から上方の眺め。階段は石造りの立派な様式なので、現世になってから作られたモノだと思われる。
■前方の上に登ってみた
前方部の上は平面になっていて、南側を望む縁には「山崎合戦」を解説した説明板が立っている。
その階段上脇に立つ説明板。さらに「武器埋納施設」の復元レプリカと説明板が設置されている。
前方上の平面部に設置された武器埋納施設のレプリカは平面東側に設置されている。展示武器類はガラス越しのイミテーションと思いきや写真。
その説明プレート。■前方部西側の階段を下る
前方部の西側にも円筒埴輪列が装飾されている。
墳丘西面の円筒埴輪列。前方部西側の階段を下りた先の平地には「西造り出し」が復元されている。
ただし、筆者が訪ねた時には、運わるく何かの工事をしていて説明板を撮れなかったので、その写真はない。
前方部の西面。
工事用フェンスに囲まれている中が西造り出し。■そして後円部西側へ
上述したが、恵解山古墳公園のいわゆる平地部の西側にも出入口がある。この前の道路は「恵解山通り」と呼ばれ、南は県道204号～北東は犬川を渡り小畑川畔 間を結んでいる。
恵解山通りから眺めた後円部の西側。上写真の中央やや左の階段下に立っている説明板が下写真になる。
上写真の階段下付近に設置されている説明板。そして後円部を北西側から眺めたのが下の写真。
後円部の北西側。ということ、コレにて恵解山古墳を一周したことになる。
トコロで、タイトルに「前篇」の文字が付されていたことが気になっている方もいるのではないかと思う。
それはナゼなら、当サイトでの車窓から高見に窺える名所・旧跡の記事にはお決まりパターンになりつつある、列車の車窓から見えるスポットなら、そのスポットの上からも列車が見えるのではないか…を確かめる、
いつもの行動(汗)をヤッてしまったからになる(笑)。さらに＋αもある「
後篇」をどうぞヨロシク。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。
