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[場所]愛知高速交通(リニモ) 東部丘陵線 八草駅
「リニモ」とは愛知県の愛知高速交通 東部丘陵線(以下「リニモ」と表記)の愛称で、磁気浮上式鉄道路線として日本唯一の営業運転を行なっている、軌道法に基づく軌道のこと。駆動はリニアモータに拠っていて、浮上方式は常電導吸引型磁気浮上式のいわゆるHSSTになる。なので、中央新幹線の超電導リニアの反発式とは異なり、こちらの吸引型の浮上量は約1cmほどだし、その浮上量の基準となるレールやリアクションプレートはモジュール(台車)に下部まで覆われているため、乗っている時は本当に浮上しているのか(笑)の実感はない。
しいて言えばポイントで、通過時に、分岐器の上面がかなりカクカクなのに車体はガタガタとならない点が、やはり「浮上してるのかな」と感じる部分である。
さて、ココで思ったのはリニモの分岐器はどのように可動するのかって疑問。ということで藤が丘駅から先頭(無人運転)にかぶりついて常日頃可動していそうな分岐器を探してみた。
そして見つけたのが八草駅の分岐器になる。
■藤が丘駅
■愛・地球博記念公園駅
八草駅の引き上げ線側にシーサスクロッシング
上で2駅を見てきたが、これらは見える範囲にないor日常的に動かない分岐器であった。
そして辿り着いた八草駅の引き上げ線側で見付けたのが下写真のシーサスクロッシング(というのか?)になる。
筆者が乗った列車は降車専用1番線ホームに到着したのだが、上写真を見ると列車はこのまま1番線(左)側の引き上げ線へ向かうと思いきや…。
■1番ホーム側→2番引き上げ線
列車が降車1番ホーム側に到着してからシーサスクロッシングを切り替えるるようで、引き上げ線側に設置された分岐器の可動シーンがすぐに眺められた。
ではまず、1番ホーム→2番の引き上げ線へ引き上げるまで。
■2番引き上げ線→2番乗車ホーム
次は列車が2番引き上げ線からの2番乗車ホームへ入線するまで。
ここはホボ想定内の動きだと思う。
■1番引き上げ線→2番乗車ホーム
上写真を撮った後に一旦ラッチ外へ出て、再びプラットホームへ戻ってきたら引き上げ線側の分岐器は下写真の状態になっていた。
まぁ、分岐器の動きとしては上々シーンの真逆だと想定していただけたら宜しいかと思う。
では、その後の、1番引き上げ線(左)からの2番発車ホームへ入線するまでの分岐器の動くシーンを見ていこう。
見てきた通り、分岐器の可動は新交通システムのソレとは異なり、かなり大掛かりな、どちらかといえば跨座式モノレールに近いシステムになっている。
八草駅を降りてみた
八草駅はリニモの終着駅のため、当然ながら一旦下車して折り返すことになる。
階下には鉄道むすめの等身大パネルが居たり、駅窓口ではリニモ系グッズを売っていたりと、八草駅は、まぁよくある地方私鉄の様相を呈していた。
そして、愛知環状鉄道の乗り換え駅なことも、当サイトの読者ならご存知だと思う。アップ日時点では静かな駅だったが、1ヶ月後に迫る出来事に八草駅がどのように変化するのか、いまから楽しみではある。その理由は〆に記す。
運転台が見れる一駅間
筆者が乗った帰路の列車では、はなみずき通駅から運転士が乗ってきて、運転台のカバーを開けていた。
ということで、その写真も、せっかくなので載せておこう。
2022年11月1日ジブリパーク開園
リニモは、開業した2005年の頃は「愛・地球博、愛知万博」が開催されていたためと、浮上式リニアモータカーというのがあって、かなり話題になった交通システムであったが、時の流れとは…(以下略)。そんなリニモにも陽が当たる時がきた。←個人の感想です(汗)。
2022年11月1日に、八草駅の2コ藤が丘寄りの「愛・地球博記念公園」駅最寄りに「ジブリパーク」が開園することになったからだ。
愛知県の方にはイマさらネタとは思うが、このパークへの最寄り交通機関は磁気浮上式リニアモータカーリニモで、最寄駅は「愛・地球博記念公園」駅である点をココで語っておいて、この記事を〆させていただく。
ジブリパークについては下記URL参照。
https://ghibli-park.jp
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。