ナゼそこに他の鉄道路線と接続がないターミナル駅…中央弘前

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[場所]弘南鉄道大鰐線 中央弘前駅

鉄道路線の都市側ターミナル駅は大概の場合どこか他の鉄道路線などの駅(含む地下鉄・軌道・フェリー)と接続しているか、離れていても駅前広場1個分くらいの距離程度には隣接しているが、全国には都市部の街中にありながら他の鉄道路線などと全く接続or隣接していないターミナル駅がいくつかある。
その一つが、この度紹介する青森県の弘南鉄道大鰐線 中央弘前駅 だ。

進入列車からの前面展望で眺めた中央弘前駅。
上で「いくつかある」と記したが、「他の鉄道路線と接続がない都市側のターミナル駅」の候補はまだある。なので、その辺をまたいずれ不定期シリーズとして紹介していこうとは思っている。
なお、中央弘前駅は正式には大鰐線の終点駅だが「都市部のターミナル駅」と呼ぶ分には問題なしとの判断から紹介の運びとなった。
また異なる話になるが、起点駅ではあっても他の鉄道路線と接続していない駅として、JR弥彦線弥彦駅・JR筑豊本線若松駅・JR香椎線西戸崎駅などが挙げられる。だが、コレらはどちらかというと終着駅の趣き(筆者個人の感想です)なのでシリーズからは外させていただいている。

中央弘前駅を訪ねる

弘南鉄道大鰐線は中央弘前-大鰐を結ぶ13.9kmの鉄道路線で、郊外側の大鰐駅はJR奥羽本線と接続しているが、都市部の弘前側にてさらに「中央」を名乗っている中央弘前駅は他の鉄道路線と接続していない。それどころか、最寄りバス停「中土手町」からも150mくらい離れている。
JR奥羽本線弘前駅からだと西へ1kmほどの距離に立地している。
ちなみに「中土手町」バス停がある通りは中土手町商店街を形成していて、せめて駅がこの商店街に隣接した位置にあれば、同地域にターミナル駅が置かれた意味もある程度判るのだが、ということで、何で線路をあと150m延ばせなかったのか、いまとなっては謎である。
では、駅舎側からラッチ内へと眺めていこう。

駅舎は駅の北東側に建っている。
駅舎に入ると、改札口の向こうに頭端ホーム。いかにもターミナル駅という光景だ。
車止め側からの大鰐方の眺め。
大鰐寄りからの車止め方の眺め。左の線路の脇の河川は土淵川。中央の円形構造物は中三デパート。その右の建物は現・スマイルホテル。
ところで5枚上の写真に写っているドーム状屋根の建物だが、青森県弘前市による「弘南鉄道大鰐線中央弘前駅前広場周辺利活用計画」により解体されたようで、現在はない。
そして上の写真から、駅の脇に小河川が流れているのも判るだろう。この川は「土淵川」と呼び、大鰐線とは中央弘前駅の1個手前の駅「弘高下」付近から線路へ寄り添うように流れている。
次は、駅のプラットホーム側外観を、その土淵川側から眺めていこう。

頭端ホームの先に駅舎が建つという、ターミナル駅にありがちの構造になっている。
駅舎を横から眺めたトコロ。右が大鰐(南西)方。
上写真のさらに右方。電車は7000系7034-7033「ふらいんぐうぃっち」号。いまはこのラッピングは見られない。
左が車止め方。ドーム屋根の建物は現在はない。その先のレンガ色のビルは東奥信用金庫。
頭端ホームに停車する7000系。駅周辺は街を形成しており、いかにも地方私鉄のという雰囲気がある。
駅構造は1面1線で、大鰐側から眺めた場合、線路終端には車止めがあって、頭端ホームの先に駅舎が建つ、いかにもターミナルというスタイル。ということで、線路をその先へ延ばすためには駅舎を壊さなくてはならないため、この後に線路を中土手町商店街まで約150m延伸することは無さそうだ。

津軽大沢車庫で起こった謎の出来事

中央弘前ではないが、同じ日に訪ねた大鰐線の津軽大沢の車庫で起こった珍事も、せっかくなのでココで報告させていただく。
それは何かというと、6000系電車を撮りたく津軽大沢駅で下車して車庫の方へ向かって歩いていた時のこと。
普段なら庫の事務所まで行って許可をもらってから撮り出すのだけれども、この時は、ちょうど電留線の向こうからスーツを着た人が歩いてきたので弘南鉄道の人かと思い「電車の写真を車庫の敷地内で撮らせてもらえますか?」と尋ねたら「大丈夫ですよ。」の返事が返ってきたので堂々と写真を撮っていたら、スグに庫の奥の方から作業服を着た人が出てきて「写真を撮るならちゃんと許可を取ってからにしてくれ」と言われたので、「さっき」とまで言ったトコロで振り返り「あの人が」と言おうとしたら、すでに居なくて「・・・」。クルマで立ち去った形跡もなく、さらに・・・。
その時には詫びて、改めて許可をお願いし事なきを得て庫内電留線での撮影もできたが、それにしても、あのスーツ姿の人は誰だったのだろうと、いまだに謎である。

津軽大沢の庫の電留線で佇む6000系6008-6007編成。左が中央弘前方、右が大鰐方。
教訓:庫内での撮影許可は制服か作業服を着た方にお願いしましょう。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。