大分市の廃ホーバークラフト発着場を訪ねる

鉄道が主役の旅スタイルを応援する見どころ案内

[場所]JR日豊本線など 大分駅北北東約2.5km

大分空港-大分市 間にはその昔…とは言ってもアップ日から約13年前の2009年10月31日までだが、「大分ホーバーフェリー」が運航していた。
このうち船艇は海外に売却されて残っていないが、大分市側の旧・大分ホーバー基地の廃基地跡と、大分空港側の揚陸路が一部設備として残っている。
さて、そんな 大分空港-大分市 間を結ぶホーバークラフト運航要員を、かつての運航会社とは別になるが、福岡県の第一交通株式会社が新会社を設立して、2023年4月〜7月〜10月採用予定で募集するというニュースが流れてきた。なので、せっかくだから、以前に個人的趣味で観光(笑)していた「旧・大分ホーバー基地」の写真をココに掲載することにした。
なお、大分市側の新・発着地は同社資料によると西大分港の東岸になるようなので、ココで紹介する場所とは異なることを予め申し添えておく。

ホーバークラフトとは!?

世間では「ホバークラフト」とも呼ばれているが、大分では「ホーバークラフト」を名乗っているので、本記事では「ホーバークラフト」の表現に統一させていただく。

ホーバークラフトの例。この写真は大分のホーバークラフトではなく、宇高航路にて国鉄→JR四国が1988年4月9日の航路廃止まで運航していた「とびうお」なのでイメージ。宇高航路のホーバークラフトは宇野駅・高松駅ともに浮桟橋に発着していたが、その例からすると、西大分港の新ターミナルはスロープになるのか浮桟橋になるのか興味が持たれる。高松側浮き桟橋にて、1982年9月撮影
ホーバークラフトが何たるかは当サイトの読者ならご存知と思うので簡単に紹介させていただくと、水面上を航行する乗り物の一種で、空気をエアタービンで下面へ強力に吹き出した圧縮空気により船体を浮上させ、推進用タービン(プロペラ)にて航走する船艇のこと。その仕組みから陸地の平坦部も走行することもできる。
日本では現在、海上自衛隊に似た方式で航行する艦艇(LCAC)がいるが、こちらはエアクッション艇と呼ばれているし、一般人は乗艦できない乗り物なので、ここでは触れないでおく(笑)。

それでは旧・大分ホーバー基地跡を眺めていこう

旧・大分ホーバー基地跡はJR大分駅から北北東約2.5kmくらいの場所にある。ここには、大分ホーバーフェリー運航終了後も「ホーバー大分基地」バス停があったが、コロナ禍で運行休止になった以降、アップ日時点では運行再開していないし、大分交通HP内の路線図にも同バス停名は見あたらない。
ということで、筆者はJR大分駅から徒歩で行った。では、まずバス停側から眺めていこう。

ホーバー大分基地バス停側から海(北西)向きに眺めた、旧・大分ホーバー基地跡の防音壁。左に、路線バス運行休止中のバス停が見える。
上写真の左側、バス停の先からの海向きの眺め。防音壁の壁画の中にホーバークラフトのイラストもあって、これが大分名物の一つだったことを現在まで伝えている。
次はホーバークラフトが揚陸していたスロープ部を眺めよう。

上写真の坂道を上った先からの反対(南東)向きの眺め。大分名物は左より高崎山、うみたまご、ホーバークラフト、国東修正鬼会、姫島キツネ踊り。
上写真の位置より海側へ少し進んだ地点の大分川堤防上から、ホーバークラフトが海〜陸へ出入りしていたスロープを北向きに眺めたトコロ。目前に広がる海は別府湾で、その先の山は国東半島。
スロープの中からの海側(北西向き)の眺め。彼方の山は鹿鳴越連山になる。
スロープの中からの大分市街(南東)向きの眺め。中央の山は高崎山。猿で有名なので、ご存知の方は多いだろう。ワンワン!!
冒頭でも述べたが、大分市側の新・発着地は同社資料のよると西大分港の東岸になるようなので、ココで紹介する場所とは異なることを再度記しておく。

ホーバークラフト オープニングスタッフ募集中

アップ日時点では、第一交通産業株式会社が設立するホーバークラフト新会社の運航要員を「新会社の社風を作るのが、オープニングスタッフさん」のキャッチフレーズの元にて募集している。
募集人数はホーバークラフト操縦士15名程度、整備士15名程度、工場長1名。
入社時期は2023年4月・7月・10月の予定とのこと。
募集要項は下記URLにて。
https://www.daiichi-koutsu.co.jp/hovercraft/requirements.php
このURL内からエントリーシートへとリンクできる。
新会社について…は下記URLにて。
https://www.daiichi-koutsu.co.jp/hovercraft/pdf/setsumeikai_20220521.pdf
このpdf内に、大分市側発着地の西大分港に開設される新ターミナルの位置も出ているので、新スタッフ募集も含め、気になった方はどうぞ。

この度は鉄道モノの写真が1枚も出てこなかったが、まぁ公共交通の仲間ということで、お許し願いたい。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。