東急5000系(初代)保存車まもなく渋谷では見納め
[場所]東急田園都市線など 渋谷駅前
東京・渋谷での待ち合わせの目印として長年親しまれてきたハチ公前広場の「青ガエル」こと東急旧5000系(初代)保存車トップナンバーデハ5001が、秋田県大館市の「秋田犬の里」へ移設されるニュースは2020年2月9日付で渋谷区区民部商工観光課から発表されたが、その本来の期日である5月下旬〜6月上旬が迫ってきた。
なので、青ガエルの新天地大館でも末永く厚遇されることを願い、渋谷を離れるギリギリのこの時節にエールを贈りたく、写真を掲載させていただいた。
青ガエル旧5000系デハ5001が渋谷・ハチ公前広場にやってきたのは2006年10月26日のこと。それから約14年後に、まさか秋田県が安住の地になるとは、縁というのは面白い。
まぁ最近のご時世では、保存場所などの問題から解体の憂き目に遇う車輛も多い中、行き場所があるというのは、青ガエルにとっては幸せな運命なのだろう。
青ガエル東急5000系(初代)が何たるかは、当サイトの読者にはもう説明は不要であろう。
ただ、デハ5001に関していえば、この電車は幾多の変遷を辿っていて、1986年に上田交通(当時)別所線へ譲渡され、1993年にそこで廃車となった後、東急に返却され長津田検車区にての保存、そして東急車輛製造の構内での保管を経て、2006年10月に車体後部をボディカットし床下機器類も取り外して、渋谷のハチ公前広場での展示へと至っている。
コロナ禍による外出自粛のご時世、搬出を見送ることは叶わないが、いずれ世間が落ち着いたら、秋田県大館市へ青ガエルに逢いにいくべく旅するのも楽しそうだ。
2020年8月3日筆者追記:渋谷の青ガエルは、2020年8月3日早朝に秋田県大館市「秋田犬の里」へ向けて搬出されました。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。