駅前などにある鉄道系展示品を訪ねる(11) 秋田県・秋田駅

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[場所]JR奥羽本線など 秋田駅

駅ナカや駅近の鉄道にまつわるオブジェや
モニュメントを訪ねる不定期シリーズです

JR秋田駅といえば「東日本旅客鉄道株式会社 秋田支社」の最寄り駅であり、駅北西約7kmの奥羽本線沿いには「秋田総合車両センター(旧・土崎工場)」があるのは当サイトの読者ならご存知だろう。なので、これらの存在をアピールするシンボルとして、何がしかの鉄道系モニュメントが展示されていることは想像できるだろう。さて、実際に訪ねてみると、それらの見学を主目的にしても良いくらいの鉄道系の展示物が並んでいることが解った。

東西連絡自由通路北側にある在来線メイン改札「中央口」を入って目前の中央口跨線橋すぐの場所から西方を見た景色。ちなみにタイトル写真は、左のE6「こまち」模型の辺りから反対(東方)を向いた光景。
そんな秋田駅は、秋田新幹線が開業する目前6日前の1997年3月16日に本屋が橋上駅舎化され、使用開始された。この橋上駅の北側ラッチ内には中央口跨線橋、南側には東西連絡自由通路「ぽぽろーど」があり、コンコースのスペースがかなり広く確保されている。
ただし鉄道系の展示物は、筆者が見た限りでは、全て在来線のラッチ内にあるので、当然鉄道の旅客しか見ることはできないが、さらには秋田新幹線利用でラッチ内外が直接つながっている改札口(いわゆる乗り換え口以外)から出入場してしまうと、やはり見ることはできない。

中央口跨線橋から見ていこう

では、ぽぽろーど側の在来線メイン改札になっている中央口から近い方の、まずは中央口跨線橋より紹介しよう。

中央改札口を入り跨線橋を左(西)折してすぐ右(北)側にある D51554 の煙室戸。土崎工場(現・秋田総合車両センター)で製造された9両のうちの末子で、1942年(昭和17年)2月25日に落成したカマのモノだ。
上の煙室戸の先、7・8番線連絡通路入り口を挟んで反対側に展示されているミニSL。元は1952年(昭和27年)に大館機関区(当時)にて製造された1/10スケールのライブスチームで、1989年6月に土崎工場OBの協力を得て復元された。諸元によると速度4km/hで走れるようだ。
ナンバーが「D51 52」となっているが、これは大館機関区での製造年1952年にちなんでいるらしい。なので外観はナメクジではなく、100番台~に近いスタイルをしている。そんなわけで特定ナンバー機のモデルではない。
上のミニSLの通路を挟んだ対面に展示されている「D51 554」の1/5のライブスチーム。旧・土崎工場製で、以前は工場公開などで運転されていたカマ。
実際にボイラーを焚く模型なので、圧力計などもしっかりと備えている。
手前には、かつて工場公開などでD51 554が運転される時に使われた客車も展示されている。

北跨線橋と、そこへつながる連絡通路も見どころ

中央口跨線橋とメトロポリタン口がある北跨線橋とは、第2ホーム真上に設置した連絡通路によりつながっている。この通路は約50mほどあり、その左右の壁面には男鹿線の駅舎紹介、五能線各駅停車スケッチ展、さらにはJR東日本秋田支社管轄内で運行している車輛の写真などが展示されている。
次ではこれらを見ていこう。

中央口跨線橋から右折した7・8番線連絡通路左(西)側には男鹿線各駅の写真と、かつての想い出の写真などが飾られている。
上写真の先(北方)ではJR東日本秋田支社管轄内の思い出写真を展示。
上々と上写真の対(東)面「五能線各駅停車スケッチ展」を開催。上の額はJR東日本秋田支社管轄内の思い出写真。
その左(北方)隣も上同様の展示。
その先(北方)には観光キャンペーンポスター。
連絡通路を北跨線橋から南向きに眺めたところで、上写真のさらに先(北方・写真では手前)と対(西)面には、やはり観光キャンペーンポスター。
この連絡通路の先には北跨線橋がある。ここには 五能線ジオラマ と銘打った展示があり、キハ48形リゾートしらかみ青池を模したショーウインドーの中にNゲージのレイアウトが敷設されている。

上写真の地点から先(北方)にある北跨線橋へ入って西方を向いたすぐに展示されているNゲージ模型のジオラマ。外観がキハ48形リゾートしらかみ青池を模しているところが面白い。
コンコース上ではないが、秋田駅の見どころとして、構内に標準軌の1,435mmゲージと狭軌の1,067mmゲージが共生している点もあげられようか? 電留線や車庫の関係で上り(南)方の数カ所において異ゲージのダイアモンド(平行四辺形?)クロッシングが存在しているので、上り方発着の普通列車などに乗ると前か後ろで眺められる。

たまに出掛けてしまう展示品もある

ちなみに、タイトルのD51554の後ろとその下の写真の右には秋田新幹線E6「こまち」の模型が写っているが、本年6月に再訪した時には展示されていなかったので、基本常設展示物の紹介が原則の本編の流れからは外させていただいたが、せっかくなのでそれを末尾で紹介しておこう。

中央口跨線橋のD51 554ライブスチームの先(西方)に展示されていた秋田新幹線E6「こまち」の模型。
たまに出張展示に行くのだろうか? なので居る時にはじっくり観察しておきたい。
連絡通路入口(南方)に、昨年6月にはあった なまはげ の面のネオン管アート(右)。男鹿線のPRの一貫だったので鉄道系展示物に含みたかったが、最近訪れた時にはネオン管なまはげ面はどこかへ出張展示に行っているらしく、この場所には秋田犬のハリボテが置かれていたため、こちらも過去画像での紹介になってしまった。左の なまはげの面 は幸いにも現存している。
ところで、記事一連の写真で、ポスターや幟が写っているものがあるが、一部は昨年6月の撮影なので、その内容は無視して見ていただきたくお願いしたい。

ここに掲載の内容は、本年夏までに撮影の写真および、アップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。