車窓を楽しませてくれる遊び心溢れた工場オブジェ・西の横綱

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[場所]JR東海道本線 高槻-摂津富田

当サイト2019年2月8日アップの「車窓を楽しませてくれる遊び心溢れた工場オブジェ・東の横綱」(←その記事はココをクリック)で、JR常磐線 取手-藤代 間にある 巨大カップヌードル の形をした排気筒を、工場の一角を利用したユニークな製品オブジェの「東の横綱」として紹介しているが、それなら「西の横綱」が何処になるのか気になった方が少なからずいるのではないだろうか(それならば嬉れしいが)。実は自分なりには、前々からJR東海道本線 高槻-摂津富田 間にある 明治ミルクチョコレート の巨大オブジェを「西の横綱」にしようと考えていた。そうしていたところ、関西へ行く機会があったので、さっそく眺めてきた。

東海道本線 摂津富田駅から上り電車に乗ると800mくらいの地点左手に巨大ミルクチョコレートが見えてくる。この画面の左端に写っている市電保存車輛にもとりあえず注目しておいていただきたい。
巨大ミルクチョコレートの前を走行する207系使用の下り普通電車で、これは下り電車(内側)線を走っている写り方。この区間の電車線には他に、221系、223系、321系などが通る。ちなみに、タイトル写真の683系使用の特急サンダーバードは下り列車(外側)線を快走しているシーンの写り方。
上写真の左端に写っている連絡通路隧道のアップ。味わいがある雰囲気なので載せてみた。
明治ミルクチョコレートの巨大オブジェは「ビッグミルチ」と呼ばれていて、大阪府高槻市にある明治大阪工場の建物が建て替えられたのを機に2011年2月に壁面に設置されたもの。ちなみに「ビッグ」は読んで字の如しだが、「ミルチ」とは何かというと社内で長年呼ばれ続けていた ミルクチョコレート の愛称とのこと。
大きさは高さ27.6m×幅165.9mほど。位置的には摂津富田駅北東約800mの場所、上り電車に乗車した場合左手にある。
なお、ビッグミルチは2011年7月に「第45回SDA賞サインデザイン優秀賞」を受賞。2011年12月に「世界最大のプラスチック製広告看板」として ギネス世界記録 に認定されている。

ビッグミルチを南側から眺められる場所から撮った、上り列車(外側)線を走行する289系使用の上り特急こうのとりの回送。この区間の列車線は、優等列車の車輛的には上記の683系、289系の他に、681系、281系、287系、キハ85系、HOT7000系などが通り、まさに在来線の特急街道になっている。
ビッグミルチの南西側から撮った、下り列車線を走りくるEF66形ELが牽引する下り貨物列車。列車線には貨物列車やさらに、223系使用の新快速電車も走行する。
さて 、写真6枚上のキャプションにもチラッと記したが、鉄道系の当サイトで横綱に選ばれた要素はもう一つ、大阪工場内に 京都市交通局5号 が保存されていることもある。この車輛は、いわゆる京都市電N電で、1911年ころに梅鉢鉄工所にて製造された京都電気鉄道55号が、1918年7月1日に市営化により狭軌1型N55号に、1955年4月1日に京都市電5号になり、1961年8月1日に廃車になった車輛。
なお、6枚上の写真ではN電は ビッグミルチ の南西側脇に保存されているが、これは一昨年冬の撮影で、保存場所はその後に大阪工場の正門近くに移動している。

正門がある国道171号から眺めた京都市電N電。守衛さんに撮影したい旨をお願いしたら、「敷地に立ち入った場合には通報するが、外から撮る分には黙認する。」と言われたため、バリアングルファインダーによるご覧の写真しか撮れなかった。まぁ カールおじさん が写っているからヨシとするか。なお守衛さんの話しによると市電保存車見学は「工場見学のルートには入っている」とのことなので、近くで見たくなった方は「明治なるほどファクトリー大阪 見学」で「検索」をして、そこから申し込むしかない。ただし見学希望は1ヶ月前の同日の受け付けと記されているが・・・。なお、守衛さんとのヤリ取りは昨年の話しで、現在はどのような扱いになっているか未知であることも申し添えておく。
この区間には、試運転で同線とは縁のない車輛が通る場合がたまにある。これは記事とは別の日の撮影になるが、和歌山色の105系電車がやってきた時の写真。この撮影地点では、編成全体が入る写真は稀少なのもあり載せてみた。
ちなみに、2019年4月初旬に同地点の田圃を車窓から確認したら、田起こしがされていたので、今シーズンも稲と絡めた写真が撮れそうだ。

下り列車線を走行する和歌山色の105系の試運転電車。ちなみにこの写真は2018年早春の撮影で、手前の泥んこ地帯は田起こしした田圃になる。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。なお「西の横綱」の判断は、鉄道路線から見える物件が対象で、あくまで個人の感想である点も申し添えておきます。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。