西武秩父線↔︎秩父鉄道 間の秩父連絡線に乗る

国内鉄道旅客営業路線全線踏破を目指しているなら、必乗の区間!?

[場所]西武鉄道 横瀬↔︎秩父鉄道 お花畑・秩父鉄道 影森↔︎西武秩父

タイトルに「西武」の文字が入っているので「4連続でまたまた野球ネタか?」と思った方…さにあらず。この度は純粋に鉄道ネタ。さて、本題を始めよう。
国内の鉄道の旅客営業路線の全線踏破を成し遂げた方は多いと思う。その人たちにはイマさらネタだろうが、現在その全線踏破を目指している人にとっては、他社間の連絡線乗車のルールをどぉするかが案外悩みドコロなのではなかろうか? と、そのような区間の一つが、この度紹介する西武鉄道↔︎秩父鉄道連絡線になろう。

飯能・横瀬方から前方展望で見た西武秩父駅。電車は共に4000系。
日本国内の鉄道には、旅客営業路線の自社線同士の連絡線は東京メトロや近畿日本鉄道、阪急電鉄にそれなりにあるがコチラはそれ程全線踏破のネックにはならないし、そして他社間の連絡線でもJR東北本線↔︎東武日光線栗橋駅やJR中央東線↔︎富士山麓電気鉄道富士急行線大月駅など同一駅構内にて繋がっている場合は渡り線と判断して乗らなくても好いのではないか(個人のルールです)と思うしで、日本の鉄道旅客営業路線全線踏破をする上で、別駅同士を結んでいるため乗らなくてはならないと考えられる他社間の連絡線は、筆者的には小田急小田原線↔︎JR御殿場線 間の連絡線と、西武鉄道↔︎秩父鉄道連絡線の2つが挙げられるだろうか!?

関東の、もぉ一つの他社間連絡線である、小田急小田原線↔︎JR御殿場線 間連絡線。電車は、JR御殿場線 松田駅から小田急新宿駅方へ発車して行く小田急MSE60000形の後追い写真。
特に西武鉄道↔︎秩父鉄道連絡線は、列車が土・休日の午前中に西武秩父線→秩父鉄道長瀞駅 間2本、西武秩父線↔︎秩父鉄道三峰駅 間各1本しかないため、全線踏破を目指している方にはかなりのネックになっているのでは…と、思われる。

西武秩父駅3番線ホームから眺めた、横瀬/三峰口方。
そのような同区間であるが、この区間に先日乗車する切っ掛けがあったので、その前方展望レポートをお届けしよう。

横瀬→御花畑

横瀬→御花畑間に乗車したのは、いわゆる西武秩父線→秩父鉄道長瀞行S2列車になる。この列車は飯能からは下りとして三峰口行との併結で発車するのだが、西武秩父駅の線路配線の都合(後述)、一つ手前の駅、横瀬にて分割される。

■西武秩父線 横瀬駅にて
編成は8両で、前側4両が三峰口行、後ろ側4両が長瀞行で、併結して横瀬駅までやってくる。乗りつぶし旅的には飯能駅から乗車してくれば楽なのだが、併結列車の写真を撮るために、先行して横瀬駅にて長瀞・三峰口行を待ってみた。

横瀬駅に、飯能方から進入する秩父鉄道乗り入れ普通列車4000系8両編成。前4両は三峰口行だが、行先表示幕は「長瀞・三峰口」になっている。
横瀬駅にて。後ろ4両も到着時には行先表示幕が「長瀞・三峰口」になっている。
横瀬駅に到着時の行先表示幕は「長瀞・三峰口」になっているが、同駅に到着して後、後ろ編成が「長瀞」、前編成が「三峰口」へと行先表示が代えられ、4両ごとに分割されて、それぞれの行先へと発車して行く。

横瀬駅到着直後のサイド行先表示幕。
分割作業中に、前4両の行先表示幕は「各停三峰口」に代る。
前4両の三峰口行最後尾の行先表示幕も「三峰口」になる。
後ろ4両の行先表示幕は「各停長瀞」に代る。
後ろ4両長瀞行先頭車の行先表示も「長瀞」になる。
前4両だった三峰口行をお見送り。この4000系には、その後約1時間後に三峰口駅にて再会することになる。
横瀬駅で見送った三峰口行は、次の駅の西武秩父駅に到着後、スイッチバックして進行方向を変え、秩父鉄道 三峰口駅へと発車して行く。このルートの詳細は逆向きを後述でレポートしているのでココでは割愛させていただく。

■長瀞行乗車
いよいよ長瀞行列車に横瀬駅から乗車。

横瀬にて発車を待つ、8両で到着時には後ろ4両だった長瀞行。
この後、秩父鉄道 御花畑駅までは前方展望の写真にて綴っていこう。

西武秩父駅の場内信号。左下のY現示が秩父連絡線の進路表示機。左の線路は秩父鉄道 御花畑-影森 間。
横瀬方からの西武秩父駅の眺め。左が秩父連絡線。手前のダブルスリップが超要ポイントになっているのが解る。
右の4000系が停まっているホームが西武秩父駅3番線。そして秩父連絡線に入ると、先に秩父鉄道御花畑駅が見えてくる。
西武秩父線からの直通列車は御花畑駅2番線に到着する。
この度の旅程では御花畑駅で下車。2番線ホームから長瀞行を見送る。
御花畑駅2番線ホームは、旅客列車的には西武秩父線からの乗り入れ列車専用ホームなので、ガチの乗りつぶしなら本来は上写真の渡り線まで乗らなくてはならないとは思うが、筆者は以前にも秩父連絡線に乗っているのと、御花畑駅の跨線橋を渡りたかったので、この度は御花畑駅で下車してみた。

御花畑駅跨線橋からの三峰口方の眺め。左の線路が秩父連絡線。右の線路は秩父鉄道線。
御花畑駅の跨線橋は、西武4000系電車発車後に閉鎖される。階段には秩鉄歴代旅客車輌やカマのイラストが貼られている。
御花畑No.2踏切からの三峰口方の眺めにて、この項の紹介写真を〆よう。

秩鉄御花畑No.2踏切からの三峰口方の眺め。左の線路が秩父連絡線。右の線路は秩父鉄道線。秩父鉄道の線路にいる車輌はパレオエクスプレスの12系客車の後追い写真。
なお、西武秩父線からの直通 長瀞行S2列車の御花畑駅到着が9時56分で、パレオエクスプレスの御花畑駅発車が12時24分と、かなりのタイムラグがあるのは、別のタイミングにて撮影しているからなことをおことわりしておく。

ちなみに、24年前に筆者が撮った同区間乗車の関連動画をユーチューブにアップしてあるので、気が向いたら視ていただければ有りがたい。URLは下記。
https://youtu.be/9Du_vDCTVuY

三峰口→西武秩父

御花畑駅→三峰口駅 間は急行秩父路1号1001列車利用で移動した。

右が急行秩父路1号に使用され、筆者が乗ってきた秩鉄6000系。左は西武4000系。三峰口駅
三峰口駅にて発車を待つ西武4000系使用の西武秩父行。車輌に見覚えがあるのはデジャビュではない(笑)。
三峰口方から乗車するのは西武秩父行S6列車。この列車は西武秩父線直通ではないが、秩父鉄道→西武秩父駅連絡線に乗れるのがおハコになっている。

■西武秩父行乗車
ココからは、先述の横瀬→御花畑 間同様に、影森→西武秩父 間の前方展望の写真にて綴っていこう。

影森駅を発車後しばらく走ると現れる信号機。右2番目のYY現示が連絡線の進路表示機。
そして右へ…。やがて西武秩父駅が見えてくる。
西武秩父駅手前の超要になっているダブルスリップに、この度は、先ほどとは別方向から斜め横断。奥に見える電車は西武001系Laview。
こうして西武秩父駅2番線に到着。
西武秩父線↔︎三峰口方面との連絡線スタイルは、鉄道配線的には長瀞方面よりはまだスタンダードで、運行形態としても西武秩父駅にも利があるが、旅客の利用状況を見ると、あくまで筆者の感想になるが、秩鉄の秩父・長瀞方面の方が三峰口方面より乗り換える乗客の需要が多いトコロに、この秩父連絡線を活用する難しさが垣間見えた気がする。

ちなみに、24年前に筆者が撮った同区間乗車の関連動画をユーチューブにアップしてあるので、気が向いたら視ていただければ有りがたい。URLは下記。
https://youtu.be/CLGUPcxqjVs

西武秩父線開通55周年

ここまで、秩父連絡線の話をしてきたが、西武秩父線の本来の終着駅・西武秩父駅の駅舎内には、ラッチ外になるがフードコートあり、おみやげ物店あり、温泉ありで、ココだけで旅の目的が完結してしまいそうな施設が揃っていることもお伝えしておく。
そのような西武秩父駅構内のラッチ内に、アップ日時点では西武秩父線開通55周年記念に伴って、その記念プレートが掲げられている。

左E851ELのオブジェ。右初代レッドアロー5000形のオブジェ。E851には「飯能~吾野間開通95周年」のヘッドマークが揭げられいている。これは同区間が1929年9月10日に武蔵野鉄道の路線として開業してから95年が経っていることを告知している。
そのプレートの手前に、E851電気機関車と初代レッドアロー5000形電車の立体前面のオブジェが置かれている。コレは記念撮影用の顔ハメかと思ったが、柵が設置されていたので、どぉやら違うようだ。
この隣には30000系電車と40000系電車の前面パネルが置かれているが、コチラは現役の顔ハメとして活躍している。

左30000系西武秩父行の顔ハメ、右40000系元町・中華街行の顔ハメ。
そして、西武秩父線55周年記念で、4000系電車に特別カラーリングを施した車輌が2024年11月11日より運行されている。
詳細は下記URLにて。
https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20241108_4000e851.pdf

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。