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[場所]JR東日本 総武中央緩行線 御茶ノ水-千葉
2020年3月14日のJR線ダイヤ改正まで1ヶ月と迫った。この改訂では、251系スーパービュー踊り子引退、東北本線黒磯-新白河間キハ110を全て531系へ置き換え、日付は前にズレるが東海道新幹線700系引退などの消えて残念な列車や車輛がクローズアップされがちだが、一部線区ではダイヤ改正によって中途半端な行先が消えることで、長年の悲願がやっと叶った、まさにダイヤ改正と呼べる地域ある。その一つが総武中央緩行線の東方側になる。
総武中央緩行線の、いわゆる黄色い電車(231系)の朝から晩までの運行形態は三鷹・中野⇔西船橋・津田沼・千葉 間を行ったり来たりといったイメージだろう。ところがこの線では、総武緩行電車が早朝と深夜には「御茶の水」行と「御茶ノ水」始発になってしまう。なので、東方側地域の利用者の中にはコレが理解しがたい運行形態だと思っていた人が多いのではないだろうか。
愚痴になるが、例えば早朝の西行の御茶ノ水行に西船橋駅あたりから乗ると、秋葉原駅直前にはギューズメになるのに、秋葉原駅で京浜東北線の南行へ乗り換えると、接続が悪いくせに、さらにそっちの電車は埼玉県から運用を途中で切らないで直通するので激コミでフェアじゃないなと思ったり、深夜には新宿から東行で西船橋へ行こうとすると、新宿駅の乗車時には席を取れたとしても、ナゼか御茶ノ水駅での乗り換え時には待ち客多数で、遠方からあえて各停に乗車したのに座れなかったり、というパターンが多々あった。
コレが、2020年3月14日のJR線ダイヤ改正でやっと文字通り改正されるのだ。まさに吉報である。
なぜこの時期にやっとそれが叶ったかというと、それが他線の都合によるから面白い。
皆さんは中央東線快速(233系)にグリーン車が2023年度末予定で導入されることはご存知と思う。そして中央緩行線のプラットホームにホームドアが設置されることになったのをご存知の方も多いと思う。この2つを加味して考えると、緩行線のホームドアは10両編成で設置するので、グリーン車を組み込んだ快速線用の長い233系電車が緩行線のプラットホームには停車してもドア扱いできないことになる。なので、時間帯を問わず緩行線には231系10両編成の電車(東京メトロ東西線直通車輛も含む)が終日運行されることになった。中央東線快速電車へのグリーン車連結はまだ先の話なので、こんな早い時期からだとビジョンが出づらく、ちょっとややこしい流れだが、賢明な読者の方なら、この「風が吹いたらオケ屋が儲かる」的な状況は理解いただけたと思う。
では、そんな総武緩行線の「御茶ノ水」行を郷愁を抱いて眺めていこう。
中央緩行線の「各駅停車東京」行も当然に見納め
上記の流れから、中央緩行線からオレンジの電車(233系)「各駅停車東京」行もなくなるのは解るだろう。ということで、早朝および深夜の時間帯にしか見れない、その「各駅停車東京」行の写真も記録として掲載しておこう。
総武緩行線東方住民にとって辞められて残念な行先もある
2020年3月14日の改正では吉報だけではない。
総武緩行線の黄色い電車(231系)上りには、ちょっと早い深夜(変な表現であるかも?)に「武蔵小金井」行と「立川」行という、三鷹以西まで行ってくれる便利な列車がある。それがこの改正で消滅してしまうのだ。
では、その2列車の行先表示などを、名残りを惜しんでお見せしておこう。
全国的なダイヤ改正の中、かなりローカルなネタになるが、実は筆者はこの総武緩行線沿線住民なので、大ニュースとしてピックアップ掲載させていただいた。ご理解いただけたら幸いだ。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。