大井川鐵道 本線電化70年 EL列車を大増発

70年前の大井川鐵道へ「時間旅行」は いかが?

[場所]大井川鐵道 大井川本線

SL動態保存運転の老舗 大井川鐵道は2019年12月1日に「本線電化70年」の節目を迎える。これにあたり、電化当時へのタイムスリップを楽しんでもらおうと、2019年10月31日(木)~12月31日(火)までの間、電気機関車牽引による客車列車「ELかわね路号」(通称EL列車)を大増発運転する。

写真は2019年3月9日~10日の「2019 SLフェスタin千頭」で運転されたE10形E101牽引の臨時「急行すまた」。甲高いホイッスルの音が山間にこだまする。「ELかわね路号」もこんな列車になると思われる。千頭-崎平。写真:大井川鐵道
普段の大井川本線では通常EL牽引のみによる客車列車の運転はおこなっていないが、70年の節目の年ということで、本線電化に合わせて自社発注した1949年製造の2両E10形E101・E102、もしくは昭和60年代生まれのE31形と、1930年代~1950年代に製造された客車を組み合わせた列車を運転するはこびとなった。

E31形も昭和製なので、「ELかわね路号」牽引の運用に入ることも想像できる。この写真も、やはり「2019 SLフェスタin千頭」で運転された臨時「急行すまた」を牽引した時の撮影。下泉-塩郷。写真:大井川鐵道
旧型客車の座席はオールボックスシート。趣きのある車内には昭和の旅情が満載。写真:大井川鐵道
この期間運転のEL列車に乗車して「1949年(昭和24年)12月1日頃の大井川本線への『時間旅行』を満喫していただけたら。」とは大井川鐵道からアナウンスされたEL列車増発運転の主旨で、「この機会に、日本全国でも数少なくなったEL列車の旅をお楽しみください。」との言葉も添えられている。
なお、EL列車は急行列車のため、乗車区間の運賃に加え「急行料金」が必要になる。詳細は以下の通り。

日付に色のついている日が「ELかわね路号」運転日。
ところで重大な注意点がある。それは「客車内には暖房設備がありません。寒い時期には防寒対策をお願いします。」とのこと。電暖が装備されていないのが理由だろうけど、12月くらいの雨の日とかになると寒そうだが、まぁ事前に承知で乗車するのなら、それも楽しみに変わりそうだ。ちなみに、12月2日以後年内にはSL列車の運行はないので注意が必要だ。
予約は大井川鐵道公式ホームページ http://oigawa-railway.co.jp/mailform/sl/f-sl-irai-2.html 内のお申し込みフォーム、またはSLセンター電話0547-45-4112(9時~17時)まで。

12月2日~28日上り列車ではELスイーツプランも実施

12月2日(月)~28日(土)の運転日の千頭駅発の上り列車では「スイーツプラン」を実施する。
千頭駅14時53分発のEL列車に15名以上で乗車の旅客を対象に、新金谷駅構内で営業する「This is Caf’e」のパティシエが作る特別メニュー「大井川鐵道ELオリジナルパフェ」を1つあたりワンコイン(500円)で提供してくれる(配布は家山駅発車後)。予約制で、お申し込み・お問い合わせはこちらもSLセンター電話0547-45-4112(9時~17時)まで。

「大井川鐵道ELオリジナルパフェ」は「ELかわね路号」の上り列車限定販売。画像はイメージ。写真:大井川鐵道
「遠方からは、富士山静岡空港のご利用が便利です。『富士山静岡空港アクセスバス 金谷・SL新金谷線』が本年7月20日に運行開始。就航地~大井川鐵道方面へのアクセスが飛躍的に向上しました。」とのコメントも添えられていた。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。