鉄道旅を一層たのしくする車窓・施設案内シリーズです。
[場所]えちぜん鉄道 福井-福井口
新幹線の線路を走った私鉄電車というと、阪急京都線 上牧-大山崎 間で阪急電車が、東海道新幹線開業前の1963年(昭和38年)4月から約8ヶ月間、新幹線のレールの上を走った話は有名だが、これに似たことが現在の えちぜん鉄道 福井駅で起きている。
期間限定
「似たこと」という言葉をここで使ったのは、えちぜん鉄道の軌間は1,067mmゲージなので厳密には1,435mmゲージの新幹線と同じレールの上を走っていないので、このような表現になったわけだが、違うレールとはいえ、将来には北陸新幹線になる高架線に、在来鉄道の電車が走っているということは、いずれは語り種になることだろうから、あえて当サイトで取り上げさせていただいた。。
なぜ高架線を?
では、えちぜん鉄道の電車が北陸新幹線の高架線を走っているのは何故なのか。
それは、元々は えちぜん鉄道の福井駅は新幹線高架の東側の地平にあったのだが、この駅を高架にするために一時その仮線として利用する場所として白羽の矢が当たったのが、2015年の時点では空いていた北陸新幹線の高架だったというわけで、えちぜん鉄道福井駅を一旦新幹線の高架上に仮駅として移して、空いた元えちぜん鉄道 福井駅の跡地に えちぜん鉄道 福井駅を高架で造るという事業計画になっている。
仮線を使用を開始したのは2015年9月27日。ちなみにこの高架化などの事業概要は、福井駅周辺整備事務所のHP
http://www.pref.fukui.jp/doc/ekisyuu/
を見ていただければ詳細が出ているので、最新状況はそちらを参照していただきたい。工事の経過を見られる定点観測も掲載されていて、なかなか面白いHPだ。
それでは実際に乗車して、どんな所を走っているか見ていくことにしよう。
いまのうちに乗っておこう
高架になる えちぜん鉄道 福井駅の新駅の完成は2018年(平成30年)に開催される福井しあわせ元気国体の年を目指しているとのこと。現在、周辺からは埋蔵文化財が出てきており、完成年はその発掘調査の進捗状況にもよるが、いずれは自社の高架線路に切り替わるわけで、えちぜん鉄道が新幹線の高架線を走っているうちに乗っておけば、その事実を後世に語れる歴史の目撃者になれるということではなかろうか。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。
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